ウクライナ「ドローン猛爆」がロシアの「石油精製施設」「物流倉庫」に集中攻撃をしかける理由…下院選を前に「プーチン大統領」を悩ます“国民の厭戦気分”という深刻なリスク

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“潮目”を変えたウクライナ軍

 軍事ジャーナリストは「いずれの施設もロシア人の日常生活を支える貴重なインフラです」と言う。

「こうした施設を攻撃すれば、相当数の生活必需品が売り場から消えます。ひょっとすると物価にも影響を与えるかもしれません。こうすることで、ロシア人の間に厭戦気分を蔓延させようと狙っているのは間違いないでしょう。ウクライナの対ロシア戦略としては、非常に理に適った作戦だと言えます。結局、ウクライナは『負けなければ勝利』という明確な目標があります。ゼレンスキー大統領とそのスタッフは目標に沿った合理的な作戦を積み重ねてきたと言えます」

 ウクライナが自分たちの力で“潮目”を変えたのは、2024年8月に実施したロシア西部のクルクス州に対する越境攻撃だという。

「それまでNATO(北大西洋条約機構)は『ロシア本土を攻撃すると最悪の場合、プーチン大統領は核を使う』とウクライナに警告を発し続けてきました。ところがウクライナは最終的には独断でロシア本土の攻撃に踏み切り、『ロシアは核を使わない』ことを証明したのです。これでNATO各国の軍事支援はさらに充実しました。さらにウクライナ軍が自らの手でドローン部隊を作りあげ、企業の協力を得て世界一の精鋭に育て上げたのはご存知の通りです。一方のロシアですが、プーチン大統領が何をしたいのか、最近は特に見えなくなっていると思います」(同・軍事ジャーナリスト)

ロシア人は戦争に反対するのか?

 7月25日、ロシアのオムスクで開かれたロシア・カザフスタンのフォーラムで、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領はプーチン大統領に面と向かって「今こそウクライナ戦争を凍結すべきだ」と進言、世界中に大きく報じられた。

「ロシア軍の戦死者は推計で50万人を超えたと推定されています。第2次世界大戦以降、これほどの損害を出した軍隊はそうはありません。トカエフ大統領の進言を受け入れるべきなのですが、プーチン大統領は戦争継続の姿勢を崩しません。とはいえ、お得意の人海戦術を繰り返しても、ウクライナのドローン部隊が必死で食いとどめるでしょう。しかもウクライナは『負けなければ勝利』なのに対し、ロシアは『勝利しなければ敗北』なのです。そして、たとえウクライナ全土を占領したとしても、払った代償はあまりに大きいでしょう。9月18日からの下院選挙は独裁制国家らしく言論の自由を封殺して勝利するのでしょうが、果たしてロシア国民が納得するのか、要注目のポイントだと思います」(同・軍事ジャーナリスト)

 前編【ロシア軍の戦死者は「最大53万人」で泥沼から抜け出せない「プーチン大統領」の悪夢…ウクライナ「最強ドローン攻撃」に北朝鮮兵まで駆り出す“人海戦術”はいつまで続くか】では、ロシア軍が戦力を増強するにしても傭兵や受刑兵などが中心で、ウクライナ軍のドローン部隊の“餌食”になる可能性について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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