ダイエー・ロッテの「合併騒動」の裏でまさかの大乱闘 ヘビー級外国人同士が繰り広げた壮絶な“流血戦”
喧嘩両成敗に不満顔
この騒ぎで試合は5分中断し、ズレータは暴力行為、セラフィニは危険球で退場が宣告された。ズレータはNPB最多タイのシーズン3度目の退場となり、負傷退場のベニーを含めて計3人が退場する、なんとも後味の悪い結果となった。
翌日のスポーツ紙は「合併どころか大乱闘」と皮肉な見出しで報じている。
殴り合いのとばっちりでチームの二冠王・ベニーを欠くことになったバレンタイン監督は、2対5で敗れた試合後、「ぶつけていないこっちも退場になるなんて。同じジャッジでいいのか?今日のことは容認しがたい」と喧嘩両成敗に不満顔。
一方、ダイエー・王貞治監督は「頭の後ろだから。それにホームランのあとだし、故意と受け止められても仕方ない。負けん気の強いのはいいけど、ああいう形で出てはね。でも、今日のはしょうがない」と騒動を問題視しつつ、ズレータを擁護していた。
そして後年、この乱闘が偶発的なものではなかったことをうかがわせる驚きの証言が明らかになる。
当時ロッテの正捕手だった里崎智也氏が2019年3月30日放送のニッポン放送「高嶋ひでたけと里崎智也 サタデーバッテリートーク」の中で、セラフィニが事前に乱闘を予告していたという衝撃的な裏話を披露したのだ。
この日、先発マスクを橋本将に譲り、ベンチスタートとなった里崎氏は、隣に座っていたセラフィニの通訳から「セラフィニが“乱闘見たいかって言ってます」と信じられないような話を持ち掛けられたという。
里崎氏は当然のように「見たくない」と答えたが、セラフィニは「(乱闘を)見せてやるからな」と言い残してマウンドに向かい、ズレータへの初球に危険なボールを投じた。
短気な性格で知られるセラフィニだけに、前の打席でズレータに特大の一発を浴び、カッカしていたのかもしれない。
仁義なき戦い
セラフィニの“シナリオどおり”乱闘が始まると、里崎氏は「うわ、まじかー!」と叫びながらベンチを飛び出したという。
「聞いたことないですよ! 乱闘見たいかって聞いて乱闘するヤツ」
里崎氏を呆れさせたセラフィニは、現役引退後の2023年10月20日、2021年に義父を銃撃して殺害し、義母を負傷させた事件で逮捕された。その後、第一級殺人や殺人未遂などで有罪となり、2026年2月27日に仮釈放なしの終身刑を言い渡された。
2006年4月16日の日本ハム戦では、死球を与えた金村暁に殴りかかるなど、通算退場回数6度の暴れん坊だったズレータ。そして、後に重大事件で終身刑を言い渡されたセラフィニ。
そんな2人が福岡ドームのマウンド上で繰り広げた“仁義なき戦い”は、20年以上が過ぎた今でも、21世紀を代表する乱闘劇としてコアなファンの間で語り継がれている。





















