人手不足の時代に輝く“有能な無職”という即戦力…大企業になじめなかった“金の卵”に一度は仕事を頼んでみるべき理由
「いいっすよー」と快諾
それなら、同じ業界でバリバリ働いている知人をヘッドハンティングという手もあるが、元の会社の方が安定しているし、給料も高いかもしれない。そこから引き剥がすのはなかなか難しいのだ。
そんな時に「有能な無職」が輝きを放つ。私とYは無職時代「まぁなんとかなるか」といった心持ちで日々過ごし、たまに知人から仕事をもらって、生活を成り立たせていた。仕事が終わり、しばらくすると突然銀行に10万円振り込まれた時には大層感動したものである。
というわけで、無職だから時間は無限にあるし、特にプライドが高いわけでもないため、行き当たりばったりで与えられた仕事をこなすことになる。そうこうしているうちに、いつしか専門分野を得るということになる。我々の会社の場合は「編集」である。Yは当初経理をするつもりで入ったのだが、押し寄せる発注を前に、なし崩し的に編集の仕事もするようになった。給料については、彼女が税理士と相談のうえ、「自分の貢献度合いと売上を考えて納得できる額を決めて構わない」と伝えた。
今回の若者もその手のタイプであり、ひょんなことからYが出会い、一緒に仕事をしないかと相談。彼は「いいっすよー」とそのオファーを受け、大手出版社に半常駐している状況にある。3人での会合の時、一体なぜ「有能な無職」がいいのかと話し合ったのだが、以下のような点があがった。ちなみに若者は大学卒業後は就職せずラーメン屋で働き、その後書店に転職し、無職になった。
無職であるが故の可能性
【1】後先考えず思い切りがいいため、新規業務が来てもビビらず取り組める
【2】プライドがあまりないため、イヤ過ぎない仕事であれば、積極的に受け、完遂する
【3】生活に困窮した経験があるため、カネに感謝する。つまり、発注主に感謝するため、感じが良く、向上心がある
多くの無職の人は自分が社会不適合者なのではないかと悶々としたり、能力が足りないのではないかと自信喪失する場合があるかもしれないが、そんなことはない。さすがに40代まで無職でい続けたような生粋の無職は別だが、20・30代で有職の経験がある人ならば、そこからの躍進は可能である。
思えば、我々の属する編集・執筆業界は、「有能な無職」からフリーランスになり、その後正社員として勤務し出世する例も数多い。零細企業で人手が必要な人は、労働市場で浮いている無職と一度会ってみればいい。元々の知人でもいいし、初対面でピンと来て、それからしばらく軽く仕事を頼んで、有能だと感じたら雇ってしまえばいいのである。さすれば採用コストはほぼゼロで会社にマッチした人材を獲得できるかもしれない。





