大チョンボで即交代、2軍落ち…それでも主力、エースへ プロ野球「懲罰」の歴史

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次へのきっかけに変えるのか

 野手の懲罰交代はベンチに残れるが、投手にはKO後、そのまま強制送還という非情のペナルティが待つこともある。

 ホームゲームなら地元なので実質“強制帰宅”だが、ビジターでは、まさに“強制送還”となる。

 中日のエース・大野雄大も、試合中に東京から名古屋へ強制送還されたことがある。

 2014年4月26日のヤクルト戦、開幕から2連敗と調子が上がらない大野は、この日も初回に1番・山田哲人、2番・上田剛史に連続四球と制球が定まらない。3番・川端慎吾に中前先制タイムリーを浴びたあと、バレンティンにも四球で満塁。ここから飯原誉士、畠山和洋の連続タイムリーなどで計5失点と炎上した。

 1回でマウンドを降りた大野は即刻宿舎に帰され、そのまま新幹線で名古屋に強制送還された。

 友利結コーチは「あんな投球をされたら、みんなの和を乱す。いても仕方ないから帰した」と説明。森繁和ヘッドコーチも「大野? いないよ。途中から帰した。(先発を)飛ばすもないよ。(1軍に)いねーんだから」と、抹消を決めたことまで明かした。

 ペナルティの効果はてきめんだった。5月14日のDeNA戦で1軍復帰を果たした大野は、この試合でシーズン初勝利を挙げ、2年連続の二桁勝利となる10勝をマーク。竜のエースとして覚醒した。

 冒頭で紹介した日本ハム・吉田も“懲罰明け”となった8月7日の楽天戦で、3安打1死球と全4打席で出塁。いきなり結果を残し、チームの勝利に貢献した。

 プロ野球選手であっても、チョンボや“やらかし”は誰にでもある。緒方、梶谷、宮崎、大野は、それぞれ厳しいペナルティを受けながら、その後のプレーで取り返してきた。

 懲罰をただの罰で終わらせるのか、それとも次へのきっかけに変えるのか。失敗した瞬間より、そのあとにどう立ち上がるかが、選手の野球人生を左右するのかもしれない。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘! 激突! 東都大学野球』(ビジネス社)

デイリー新潮編集部

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