敵役を演じてもなぜか憎めない「遠藤太津朗」 稀代の名脇役の素顔とは
藤田まこととの縁
この他、映画では「座頭市」シリーズ、ドラマではTBSの「水戸黄門」「大岡越前」、テレビ朝日の「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」、日本テレビの「桃太郎侍」「長七郎江戸日記」などで地回りの親分や悪徳商人、悪代官などを演じてきた。
びっくりしたのは「水戸黄門」第35部(2005~06年)。四国へと旅立った御老公(里見浩太朗)一行を狙う黒幕「闇の布袋」だった。闇の布袋は豊臣家ゆかりの海賊の流れを汲み、徳川幕府の転覆を狙う百歳を超える怪人だ。口はへの字で目つきは悪い。「ヒヒヒッ」と不気味に笑いながら悪だくみをする。布袋は第1話から第9話まで登場した。
闇の布袋も含め時代劇の遠藤太津朗は、どこか憎みきれないコミカルなクセの強い人物や悪役が多い。
その持ち味がよく出ていたのが「新・必殺仕事人」(朝日放送)の第40話「主水ケチに感心する」(1982年)だ。「損」と聞いただけで引き付けを起こす“ケチ兵衛”こと金貸しの吉兵衛(遠藤)は、娘にも嫌われる金の亡者。タダで用心棒をするという剣客・藤巻(内田勝正)を「なんちゅうてもタダでっせ!!」と喜んで雇うが、藤巻らは悪党だった。中村主水(藤田まこと)や加代(鮎川いずみ)も呆れるケチっぷりは名人芸といえる。
藤田まこととの縁は続き、「藤田まことの丹下左膳4 彷徨う丑三つの花嫁 江戸城に渦巻く大陰謀」(テレ朝)では、名セリフ「姓は丹下、名は左膳!」とともに、「俺には嫌いなものがある。一つは弱いものいじめ、二つは女を泣かすやつ、三つは偉そうにふんぞり返ったやつ」と怒りをぶちまける左膳を前に「山吹色の肴で飲む酒はまた格別」などと腹黒演技を見せた。
現代ドラマでも土曜ワイド劇場「京都殺人案内」シリーズ(朝日放送)で、地道に捜査をする主人公の音川音二郎警部補(藤田)の上司・秋川捜査第一課長(遠藤)との笑えるやりとりは名物場面になっている。
長年、希望したインタビューが実現したのは、2000年代になってから。場所は大阪新歌舞伎座の楽屋だった。
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