中学受験、夏の教育費だけで50万円超…「講習の時に大きく稼ぐ」 塾講師が明かす家庭の不安をあおる営業術

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学校についていくために…

 小学校時代に多くの時間と金をかけて勉強し、ようやく手に入れた合格。だが、学力の高い学校へ入れば、それだけ周りの生徒のレベルも上がる。そのため、学校についていくために塾の夏期講習に通ったり、中高一貫校でも早くから大学受験の準備をはじめたりすることがあるそうだ。

 さらに学校側が用意するプログラムにかかる費用も馬鹿にならない。冒頭の保護者は次のように話す。

「うちの長女は第2志望の中高一貫校に合格しました。その学校は国際性を売りにしていて、夏には2週間の提携校への留学プログラムがあるんです。参加は希望する生徒のみなのですが、毎年100人以上が行くので、参加しないと同級生との話についていけない。先生からも『不参加者なんだな』と見なされる。なので行かざるをえないんです。

 この留学代が馬鹿にならなくて、実費だけで100万円近くする上に、現地の生徒との交流会で日本文化の紹介用に着る和服を買いそろえるなど、諸経費も侮れない。さらに今年は年子の長男が受験なので、去年100万円近くかかった夏の教育費は、今年は150万円くらいに跳ね上がりました。受験が終わるまでと思っていたんですが、終わってからの方がお金がかかるんです」

 この家庭では、受験勉強をしている間、長女にずっと「受験が終わったら自由だから好きなことをしようね。家族みんなで合格祝いにハワイに行こうね」と言いつづけていたらしい。だが、家計は火の車でハワイどころか、東京ディズニーランドすら行けずにいるという。

「学びにおいて受験は終着点ではなく、出発点」というが、教育費に関しても同じことがいえるのかもしれない。

石井光太(いしい こうた)
1977年、東京生まれ。2021年『こどもホスピスの奇跡』で新潮ドキュメント賞を受賞。主な著書に『遺体 震災、津波の果てに』『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』『43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち』など。『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』など児童書も多い。『ルポ スマホ育児が子供を壊す』(新潮社)はロングセラーとなっている。

デイリー新潮編集部

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