才木だけじゃない…阪神が何度も味わった「あと1球コール」からの大暗転

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 阪神のエース・才木浩人が7月24日の巨人戦で、あと1球で完封勝利という場面からダルベックに逆転2ランを浴びた。阪神は直後に同点へ追いついたものの、延長戦の末に敗れている。

 甲子園の「あと1球」コールは長年親しまれている名物パフォーマンスだが、阪神は過去にも「あと1球」から暗転した試合が少なくない。【久保田龍雄/ライター】

嘘だろう? 嘘だろう?

 絶対的守護神が勝利まで「あと1球」と迫りながら、痛恨の満塁本塁打を浴びる悲劇が起きたのが、2015年6月2日のロッテ戦だ。

 3対2とリードした阪神は、9回から、この日まで21セーブを挙げていた守護神・呉昇桓をマウンドへ送った。

 呉はハフマンを三飛、代打・岡田幸文を149キロの速球で空振り三振に仕留め、たちまち2死となる。勝利を確信したスタンドから「あと1人」コールが沸き起こったのは言うまでもない。

 ところが、ここからまさかの暗転劇が幕を開ける。

 次打者・根元俊一の遊ゴロを名手・鳥谷敬がグラブに当てて弾き、内野安打にしたのが始まりだった。続く清田育宏の遊ゴロも完全に打ち取った当たりだったが、グラウンドの土に勢いをそがれ、再び内野安打となった。

 相次ぐ不運に投球リズムが狂ったのか、呉は鈴木大地に四球を与え、2死満塁とピンチを広げてしまう。

 それでも、呉は気持ちを切り替え、次打者・角中勝也をカウント1-2と追い込んだ。スタンドからは、お約束の「あと1球」コールが起きる。

 一方の角中も「つないでくれた人のためにも打たなければいけない」とファウルで粘り、際どい外角球も自信を持って見逃した。

 そして、フルカウントからの9球目。見逃せばボールと思われた内角高めのスライダーを、角中は上から叩くように強振した。

 高々と上がった打球は浜風をものともせず、右翼・福留孝介の頭上を越え、阪神ファンで埋まった右翼席へ突き刺さった。

 思いもよらぬ勝利目前からの大暗転劇に、テレビの実況アナウンサーも「嘘だろう? 嘘だろう?」と声を裏返した。あっけに取られた阪神ファンの手を離れた“勝利のジェット風船”が、むなしくライト上空を舞った。

 信じられないような敗戦に、和田豊監督も「2死(無走者)からやな。(鈴木への)四球が一番痛かった」と苦渋の表情を浮かべた。

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