この夏「日本武道館」は中高年結集の“懐メロ”まつり ビートルズ公演から60年で「唯一無二の殿堂」神話は崩壊したのか?
「いつかは武道館で」と夢を追って、破れたり、たどり着いたりした数々の歌手やバンドによって、日本武道館の神話は形作られてきた。2026年の夏から秋にかけて、その武道館に集結する“顔ぶれ”がいま話題を呼んでいる。
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日本一のコンサート会場に異変
本来、日本武道館(東京・九段下)創建の目的は「武道の普及と奨励」にあるのだが、キャパシティの大きさ(8000~1万人)と交通の便の良さで、コンサート/ライブ会場としても日本の頂点と呼べる存在である。ここを目指すのは、上昇志向の強い若いミュージシャンが多いと思いがち。しかし……。
7~9月にまたがって松田聖子が8回もコンサートを開催し、8月中にはT―BOLANと爆風スランプ、10月に藤井フミヤとザ・イエロー・モンキー、11月まで広げると玉置浩二、相川七瀬、オリジナル・ラブ……と続く。そう1980~1990年代を沸かせた顔ぶればかりなのだ。“懐メロ”呼ばわりされるのは本意ではないかもしれないが、時代の最先端を走っている面々とは言い難い。
もちろんCUTIE STREETや超ときめき♡宣伝部など、今をときめくアイドルたちのライブも予定されている。が、彼女らは全国ツアー中の一会場としての武道館使用であり、横浜アリーナや有明アリーナなど、他の首都圏の大会場でも公演を行う。対して懐メロ勢の爆風スランプやオリジナル・ラブなどは、武道館ワンデイだけにかける「一発勝負型」。また全国ツアーではキャパシティ1000~2000人クラスの会場しか使っていないのに、一回は武道館に立つ、「晴れ舞台型」とも言うべきイエローモンキーや玉置浩二、相川七瀬らに分かれる。どちらも武道館を特別視しているのが共通点だろう。
音楽イベンターは言う。
「彼ら自身も彼らのファンも50~60代が中心で、この世代にとって武道館はひのき舞台であり、他の会場とは違う特別な場所。行くこと自体が“エモい”わけです。こうした“懐かし動員”が音楽市場のなかで大きな支えになっています」
♪あの大きな玉ねぎ(武道館の屋根の擬宝珠のこと)の下で、と武道館を歌ったのは爆風スランプだが、夏から秋にかけて玉ねぎの下に中高年が大集結するわけだ。それが武道館にとって良いことなのかは、意見が分かれるかもしれないが。
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