「ここまで良くなるとは想定外」とスカウトが驚愕 夏の甲子園を逃した「ドラフト候補5人」の実名
小樽双葉からNPB選手が誕生すれば史上初
左腕の前田に続き、右投手では新城楓雅(奈良大付)と近藤琉唯斗(小樽双葉)が評価を高めた。
新城は昨春の近畿大会で好投し、評判を高めた身長190cmの大型右腕である。最終学年は状態が上がらず、春の県大会も初戦で敗れた。夏は高田商、智弁学園と強豪を相次いで撃破。決勝で天理に敗れ、あと一歩で甲子園出場を逃したが、春の不調を払拭する投球を披露した。
初戦の高田商戦では、特に素晴らしい投球を見せた。ストレートは立ち上がりから常時145キロを超え、NPBスカウトのスピードガンで最速150キロをマーク。長い手足を持て余すことなく操り、スライダーなど変化球の質も光った。何度も新城を視察しているスカウトは「今までで一番良かったです。うまく夏に合わせてきましたね」と話している。スケールの大きさは抜群で、高く評価する球団は増えそうだ。
新城と同じく大型右腕として注目される近藤は、長く支部予選の壁を突破できずにいた。同じ小樽地区には強豪の北照に加え、近年力をつけている倶知安がいる。厳しい環境の中でも、昨年からスカウトの間で素材の良さが評判となっていた。
今夏から支部大会が撤廃され、チームは初めて南北海道大会のベスト8に進出。近藤はエースとして躍進を支えた。3回戦の札幌平岡戦では、NPB11球団、MLB1球団の計26人のスカウトを前に、5回2失点ながら11奪三振。NPB球団のスピードガンで最速150キロ、球場表示では152キロを計測した。視察したスカウトの一人は、近藤を次のように評価している。
「立ち上がりは少し制球重視でおとなしく見えましたが、ここ一番でのボールには力がありました。数字以上に手元で強さのあるボールに見えます。変化球を器用に操り、牽制やフィールディングもうまい。スタミナや投球術はまだこれからだと思いますが、上背があります。プロでしっかり鍛えれば、数年後にはすごいボールを投げるようになっているかもしれませんね」(パ・リーグ球団スカウト)
小樽双葉からNPB選手が誕生すれば史上初となる。近藤には、快挙への期待を抱かせるだけの素材がある。
早々に名前を呼ばれる選手が現れても驚きはない
投手だけでなく、野手にも地方大会で評価を高めた選手がいる。九州の遊撃手、福島陽奈汰(東海大熊本星翔)と高田瑛大(都城)だ。
福島は昨夏、2年生ながらトップバッターとして甲子園に出場し、2試合で4安打を放った。高田は甲子園や九州大会とは縁がなかったが、4月に行われたU18侍ジャパン候補の強化合宿で軽快なプレーを披露。関係者の評価を高めていた。
同じショートでも、持ち味と評価されるポイントは異なる。
「福島は打撃も守備もまず形が良く、プレーが雑にならないのがいいですね。守備に関しては、高校の先輩である百崎蒼生(現・阪神)より上でしょう。もう少しパワーがあれば良いですが、打つ方も初球から自分のタイミングでしっかり振れる。プレーを見ても野球をよく知っていますし、チームにいてくれると助かるタイプの選手になりそうです。
逆に高田は、とにかく動きの良さが目立ちます。単純な足の速さはそこまで突出しているわけではありませんが、反応や身のこなしが他の選手とは少し違いますね。打撃もだいぶ力がついてきました。他人にはできないプレーを見せるタイプの選手だと思います」(セ・リーグ球団スカウト)
福島は、8球団21人のスカウトが集結した熊本大会初戦の熊本商戦で、先制のタイムリーツーベースを放った。後続の安打ですかさず生還するなど、持ち味を存分に発揮している。
高田は宮崎大会初戦の都城農戦で、多くのスカウトを前にツーベース3本を放ち、強烈にアピールした。今年は大学生、社会人に二遊間の候補が少なく、ドラフトでの希少性も追い風となりそうだ。
昨年のドラフトでは、甲子園出場経験のなかった延岡学園の藤川敦也がオリックスから1位指名を受けた。地方大会で敗退しても、高く評価される選手は毎年出てくる。前田、新城、近藤、福島、高田の中から、10月のドラフト会議で早々に名前を呼ばれる選手が現れても驚きはない。
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