前半戦だけで“昨季超え”の異常事態…森下翔太はリーグトップ「12死球」で阪神連覇に立ちふさがる敵は“巨人”と“死球”と“雨”
広島戦での遺恨
「キャンプではブルペン捕手かコーチが『ラスト一球』のコールをして、終わります。投手によってその日に投げ込む球数は異なりますが、このラスト一球の声が掛かると、大抵のブルペン捕手は外角低めのストライク・ゾーンに構えます。そこにビシッと投げ込めるのは栗林良吏(30)、床田寛樹(31)など一部だけ。ほとんどの投手はブルペン捕手の構えたところからずれてしまい、やり直しを命じられていました。やり直しで5球以上を放った投手もいました」(カープ担当記者)
前川を欠いた18日、球場はキナ臭い雰囲気に包まれた。8回表、広島・ハーン(31)の投げた変化球が佐藤の体をかすめた。佐藤は辛うじて避けたものの、ムッとした表情でマウンドに行き掛けた。その裏の広島の攻撃では、今度は小園海斗(26)が死球を食らった。テレビ中継などでも小園が倒れ込むシーンが流されたが、捕手の梅野隆太郎(35)は小園の後方まで体を寄せて構えていたため、「報復か?」と思ったファンも少なくなかった。
小園が倒れこんでいた間、阪神、広島の両ベンチは動かなかったので「報復」ではなかったようだが、翌19日、大山がぶつけられたときは藤川監督もベンチを飛び出してしまった。両チームが入り乱れる中、広島・新井貴浩監督(49)が謝罪をし、大山も黙って一塁に向かい、その場を収めようとした。しかし、審判団は警告試合を発した。危険なプレーや報復的な行為が繰り返されると感じ取ったのだろう。
「阪神側が広島戦に何か思うところがあったとしても不思議ではありません。近本光司(31)が4月にぶつけられ、左手首骨折で約2カ月もチームを離れ、今度は前川。佐藤が危ないコースに投げ込まれ、大山ですからね」(前出・同)
阪神戦で厳しいコースを突いてくるのは、他球団も同じだ。25日の巨人戦後、藤川監督はこうも語っていた。
「セ・リーグでいちばん与死球が多いのが巨人ですから。40数個で。それはもう当然分かってますからね。そういう風な勝負になっていきますけど。あのあたりはね、全て分かっています。明日、良い勝負をしましょう」
藤川監督の言葉通り、巨人の与死球は44でリーグ最多。それに対し、阪神投手陣が前半戦91試合で出した与死球は26でリーグ最少だ。しかし、藤川監督が与死球の数値を語った25日、阪神は巨人の5番打者・大城卓三(33)に2つの死球を出しており、翌26日のスタメンマスクは若い山瀬慎之助(25)が務めている。試合は1対0で阪神が3連敗を逃れたが、後味の悪い前半戦終了ともなってしまった。
「故意にぶつけた」とは誰も言わないが、こんな声も聞かれた。
「阪神はホームベース側に踏み込んで強振するバッターが多いんです。前川のように投手側に体を動かして打つバッターもいます。避けきれないタイプの打ち方です」(在京球団スタッフ)
試合数がタイトに
また、阪神は前半戦で雨天中止となった試合が12もある。セパ交流戦の中止になった試合以外の代替日が決まるのはこれからだが、9月と10月に組み込まれることになり、そうなると、連戦に継ぐ連戦は避けられなくなる。
「疲労感が選手の反射神経を鈍らせ、対戦投手の投げ損じを避けきれなくなるかもしれません」(前出・在阪記者)
これ以上の主力選手の故障離脱は、接戦の続く優勝争いの大きな痛手となる。ファームでは2月にアキレス腱を断裂した石井大智(29)がライブBPに登板し、順調に進めば終盤戦での一軍昇格もあり得るという。また、独立リーグ・高知でリーグタイ記録となる前半戦18本塁打をマークしたデルミス・ガルシア外野手(28)を緊急獲得した。前川復帰後はこの右打ちのガルシアとの2人を対戦投手に応じて使い分けていくと思われるが、戦力になるかどうかは未知数だ。
藤川監督が試合後の会見で見せるイライラは、優勝が決まる瞬間まで消えないだろう。
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