「世紀の電撃トレード」とされた正捕手・DeNA山本が放出された背景

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急転直下

 仮に昨シーズンオフにトレード話があったとして、まとまらなかったのはどういった理由なのか。

「DeNAは相川亮二監督に代わったばかりで、正捕手放出に躊躇した可能性はあります。それが急転したのだとしたらチームの戦力事情が影響しているのでしょう」(同)

 ローテーションの一員として頼みとしたコックスとデュプランティエの両外国人投手にメドが立たないとの判断せざるを得なかったのは事実だろう。その後に両投手は退団することになるわけだが、ともあれ異例の事態に見舞われて今度はDeNA側がトレードに積極的になったと見ることもできる。

「ローテで回れそうな投手をなるべく早くほしいというのがDeNAの希望だったはずです。“なるべく早く”という条件がなければDeNAにもう少し有利な選択肢があったかもしれませんが。その時点ではもう球団フロントは4年目のドラフト1位・松尾汐恩捕手を育てるとの方向に振り切っていて、相川監督もその方針に異論はなかった」(同)

山本はFAで出るだろう

「ソフトバンクにとってトレードに関する懸念として、山本と条件面でどう折り合えるかということもあったでしょう。トレードを成立させても2027年オフのFA権取得後に出ていかれてはマズい。それも視野に入れた契約を行ったと見ています」(同)

 過去にはこんなことがあった。1992年オフ、オリックス・松永浩美内野手と阪神・野田浩司投手の交換トレードが行われた。移籍1年目の松永はケガの影響もあって不本意なシーズンを送ったのだが、93年に初めて導入されたFAで第1号としてダイエー(現ソフトバンク)に移る選択をした。阪神はたった1年で逃げられた格好である。一方の野田は同年、17勝(うち完封4)を挙げて最多勝に輝き、明暗を分けた。
こうした前例は当然、当事者であったソフトバンクは百も承知。ソフトバンクは山本をFA権獲得後も引き留められる契約を結んだ可能性が極めて高いというわけだ。

「DeNAとしては山本がFAで恐らく出ていくだろうとの算段をしていたとされています。だから山本を交換要員にできたのでしょう」(同)

 尾形は8試合に先発して2勝2敗、防御率3.32。井上はヒットなし。一方の山本はトレード直後に疲労骨折して18試合の出場にとどまるが、打率.316、長打率.456、出塁率.381を記録(7月30日時点)。損得を判断するのはまだ早い段階だが、両チーム関係者から世紀の電撃トレードは現時点でウィン・ウィンとされているという。

デイリー新潮編集部

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