「騙されているのじゃないかと」…再婚相手2人殺害「中洲スナックママ連続保険金殺人」 被害者の母が明かしていた“様々な略奪婚工作”
お嬢様育ちの女と3人の男
だが、恐喝事件は別件だった。Aには、生命保険を掛けた夫を連続して殺害した容疑がかけられていた。平成6(1994)年10月、再婚相手だったBさん(34=死亡当時)が腹部に包丁を刺されて死亡。当時は、経営していた会社の倒産を苦にした自殺とされた。このときに彼女が受け取った保険金は1億2000万円。
さらに平成12年11月、再々婚相手のCさん(54=死亡当時)が、自宅浴槽で溺死。糖尿病を苦にした自殺とされた。彼女が受け取った保険金は2740万円だった。この2件に関して、捜査当局は保険金殺人と断定、平成16年9月と11月に本件で再逮捕にこぎつけたのである。
Bさん殺害には共犯者と目される知人がいた。当時、彼女の子供の家庭教師をしていた大学院生のDさん。彼女より15歳年下である。彼女はDさんとも関係を結んでいた。
ここまで事件の概要を並べてみればわかる通り、Aは男を食い物にして生きてきた魔性の女である。だが、そもそも彼女はお嬢様育ちで、その甘やかされた境遇から、人並み以上の幸福な生活を夢見る女性であったにすぎない。どこから人生の歯車が狂っていったのか。
ほんとに色白で可愛い子やった
彼女が生まれ育ったのは福岡市の中心街から東へ車で30分ほどの町。かつては炭鉱があり、昭和30年代まで石炭の町として栄えていたこともあるが、高度経済成長時代以降はベッドタウンになっていた。
彼女の実家は、町内にある商店街で小さな小売店を営んでいた。他に家作があり、収入はまずまずあったのだろう。母親は彼女を溺愛した。小さい頃からピアノを習わせ、中学、高校と福岡市内にある私立の名門に通わせた。近所では、「白雪姫」と呼ばれていたという。
「ほんとに色白で可愛い子やったけんね。ここらで私立の中学校に行く子は他におらんやった」
と、地元住民は話す。
大学は東京の有名音大に進み、ダンスパーティーで知り合った1歳年上の慶応ボーイと卒業後の昭和54(1979)年に結婚する。相手は、東北地方の資産家の息子だった。だが、新婚生活を夫の地元で送ったものの、彼女は嫁ぎ先の家とそりが合わず、3年後には夫とともに福岡の実家に戻ってきた。
夫は福岡市内の住宅会社に就職し、夫婦は2人の子供をもうけた。両親との同居では手狭になったため、彼女の父親の資金援助を元に、実家から歩いて5分ほどの距離にある閑静な高台の分譲地に自宅を新築。町では比較的、豊かな層が集まる住宅街で、中でも洋風建築の建物は、一際近所の目を引いた。
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