矢野は「ほとぼりが冷めたら一軍復帰」、小園は「チーム内で“腫れ物”に…」 「ゾンビたばこ」で揺れる「広島カープ」内部で何が起きているのか 現役選手が語る“球団の対応への不満”とは
羽月がトカゲのしっぽ切り
今回の一件は、羽月氏が医薬品医療機器法違反の疑いで1月27日に逮捕されたことが引き金になっている。羽月氏は昨年12月16日にエトミデートを使用していたことが関係者の通報で発覚し、その後に尿検査をすると陽性判定が出た。5月15日の初公判で周囲にもエトミデートを使用していた広島の選手がいたことを証言。球団は育成契約を含めたすべての選手を対象に再調査した。メディア報道によると、松田一宏オーナー代行が都内でオーナー会議に出席した際に「週刊誌のこと一つ一つにコメントはしない。球団で調査はしていてそれ以上は話せることがない」と語ったという。
広島の中堅選手は、球団の対応への不信感を口にする。
「羽月がトカゲのしっぽ切りみたいになっている。そもそも再調査してエトミデートを使用したと名乗り出る選手なんていませんよ。この件を早く幕引きしたいのでしょう。個人的にはこんなショッキングなことが起きているのに選手、フロントも危機感が薄いことが気になります。矢野、小園は選手の間でも腫れ物みたいな扱いで完全に浮いています。大半の選手がこの一件と無関係なのに、SNS上で『ゾンビたばこ軍団』と揶揄されて恥ずかしいですよ。矢野が会社役員とどのような関係だったか知りませんが、球団はほとぼりが冷めたら1軍に復帰させるでしょう。フロントも刷新しないとチームの体質は変わりません」
地元メディアが批判できない理由
ファンの心も離れているのは明らかだ。本拠地・マツダスタジアムで開催される試合でもスタンドに空席が目立つのが日常の風景になり、7月14日からのDeNA2連戦は観客動員が2万人を切った。危機的な状況だが、広島のテレビ、新聞で批判的な声が上がっていない。地元紙の記者が漏らす。
「松田オーナー、鈴木球団本部長を怒らせると取材ができなくなるからです。例えば、監督人事で以前に次期監督候補をあるスポーツ紙が書いたら番記者が注意を受けた。複数のプロ野球球団がある関東と違って、広島は取材できなくなるとメディアは死活問題になる。選手たちも少し活躍しただけで地元のテレビ局で取り上げられるので、一流気取りで勘違いするケースが多い。矢野はその典型的な例です」
かつてはプロ意識が高い集団だった
広島の球団関係者は危惧する。
「会社役員の裁判で羽月以外にもエトミデートを譲渡した選手の名前が出てきたり、週刊誌で新たな疑惑が出たりしたら球団はどのように対応するのでしょうか。今回の対応を見ても後手、後手に回って、組織として危機管理が機能していないように見えます。このままでは観客がさらに減る恐れがあります」
菊池涼介、丸佳浩(現巨人)、鈴木誠也(現カブス)、大瀬良大地、中崎翔太を中心に16年から球団史上初のリーグ3連覇を飾った際は、マツダスタジアムだけでなく、ビジターの球場も真っ赤な広島ファンでスタンドを埋め尽くしていた。
広島OBは嘆く。
「あの時は黒田博樹さん(現広島球団アドバイザー)、新井貴浩さん(現広島監督)が若手の模範になり、プロ意識が高い集団だった。グラウンド外でも素性が分からない人間とは付き合わず、遠征先でも試合後はバットを振り込み、『3年活躍して一人前』という考えが選手間で浸透していた。いつからこんなに凋落してしまったのか…」
「チーム再建」を目指す以前に、球団の存続が危機的な状況であることを球団フロントは認識するべきだろう。
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