高市首相のバックが「異様で気持ち悪い」と猛批判した小沢一郎氏にいつものブーメラン
高市首相のバックに立つ議員たち
7月15日にようやく国会で行われた党首討論の評価は、従来のそれと変わるものではなかった。野党の追及にさほど鋭さはない、高市早苗首相の答弁にもさほどの新味はない、討論によって何かが生み出されたとは言い難い――というのが大方の見方だろう。
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注目を集めたのは、高市首相の背後に立つ与党議員の多さだろう。首相を応援したいのか、あるいはテレビに映りたいのか、真意は不明ながら、議場からはみ出んばかりの人数の議員が立ち、首相の答弁が終わると拍手を送っていたのである。
この光景は高市首相に批判的な人からの強い反発を招いた。SNS上では、議場の写真や動画と共に「気持ち悪い」「醜い」等々、きつい言葉が数多く投稿されている。
大物政治家、小沢一郎氏は7月16日、自身のXに次のように投稿している。
「今の自民党を象徴する本当に気持ち悪い異様な光景。
要は、高市総理は、こんなヤラセをしなければならないほど国会での追及が怖いということ。
答弁も『私は自信を持って間違った方向に突き進んでこの国を壊してまいります!』という宣言に過ぎない。
とにかく早く辞めさせないと、この国がもたない。」
答弁に関係ない「応援団議員」らの振る舞いに、ベテランとして苦言を呈している……のは結構なのだが、この批判、実はそのまま自身に返って来るものだということを小沢氏は忘れているのだろうか。
小沢ボーイズ・ガールズの振る舞い
小沢氏が辣腕を振るい、自民党から民主党が政権を奪取した2009年、国会には民主党の新人議員があふれていた。彼らは「小沢ボーイズ・ガールズ」などと呼ばれていたことがある。そしてこの国会でもまた「異様な光景」が見られたのだ。当時のことについて、石破茂前首相は著書『国難 政治に幻想はいらない』で次のように振り返っている。
「この時の予算委員会の異常さについても触れておきます。委員会は、異様な雰囲気に包まれていました。議論で劣勢となると、民主党席はヤジの嵐でした。国会の討論にヤジはつきものですが、この時は、これまでに聞いたこともないようなすごいヤジが浴びせられました。テレビ中継ではマイクがあまり拾わないので伝わりづらかったかもしれませんが、私が何か言うと、『おまえなんかに言われたくない』、『そんなこと今さら言うな』など、単なる雑音のようなヤジが吹き荒れて、自分の声も聞こえないほどでした。
これに対して、鳩山総理がほんわりとした、訳の分からない答弁をすると拍手の嵐です。どんな答弁をしても拍手喝采。ヒトラー・ユーゲント(ヒトラー青年団)や文化大革命の時の紅衛兵はこんなものだったのではないか、と恐ろしい気持ちになりました。
政権交代直後の民主党の若い議員たちには、かなりの数、自分たちの立場に一種の陶酔感を覚え、ヤジをとばす人がいたように思います(略)。
もちろんそういう人たちがすべてだったわけではありません。というより、既にこの政権交代直後から、民主党内はかなりバラバラだったのだと思います。自民党の私に、『もっとがんばってくれ。民主党はもう政党じゃない』と言ってきた議員もいたほどですから、『小沢ボーイズ・ガールズ』の様子に辟易(へきえき)していたのは我々野党だけではなかったのでしょう。事実、『小沢ボーイズ・ガールズ』の多くは二〇一二年七月、小沢氏とともに民主党を離党し、『国民の生活が第一』なる新党を結成しました。民主党は、もはや不可逆的な崩壊過程に入ったのだと思います」(『国難』より)
――他者への批判がブーメランのように返って来るのはもはや永田町の日常である。与野党問わず、自分に都合の悪い過去は忘れる議員が多いのは、職業病なのか、それとも人間が本来持つ性質なのか。
石破氏が1年間の首相時代を振り返る「石破茂、1年間の回顧録」は情報・教養サブスク「新潮QUE」で連載中である(【もっと詳しく】「官邸は和気あいあいとしていた」「媚中というレッテル貼りは無意味」――総選挙敗北以降、何が起きていたのか)。




