ロシア軍の“戦死者50万人”は「ベトナム戦争」以来の異常事態…敗戦に学ばない「プーチン大統領」が犯した最大のミス

国際

  • ブックマーク

プーチン大統領こそ“愚将”

「ヴォー・グエン・ザップ将軍を“名将”と評価する軍事史家もいます。しかし戦死者があまりにも多いことから“愚将”という批判も少なくありません。一方、プーチン大統領が開始したウクライナ侵攻は文字通りの侵略戦争であり、“正義”はどこにもありません。2014年にウクライナの親ロ政権が崩壊するとプーチン大統領はクリミア半島に軍事介入、一方的併合を行いました。さらにウクライナ全土を手中に収めようとしたのが2022年の侵攻であり、領土的野心に基づいた侵略戦争です。自国の軍隊に国際法違反の侵略戦争を命じながら、50万人の戦死者を出した最高責任者がプーチン大統領です。この数字を見れば、戦史上稀に見る“愚将”と非難されても仕方がありません」(同・記者)

 軍事ジャーナリストは「プーチン大統領は“特別軍事作戦”を裁可しました。その際、大統領が致命的な判断ミスをしてしまったことが、ロシア軍が桁外れの戦死者を出した大きな原因の一つです」と指摘する。

「ロシア軍がウクライナ侵攻作戦を開始した際、成否の鍵を握るのは空からヘリコプターなどで首都キーウを急襲した空挺部隊と特殊部隊でした。空挺部隊はアントノフ国際空港の制圧を目指し、特殊部隊は大統領府でゼレンスキー大統領を殺害しようと襲いかかりました。つまりアメリカ軍がベネズエラで行った特殊作戦、いわゆる斬首作戦を実施しようとしたのです」

教訓を学ばないプーチン大統領

 この急襲作戦が成功していれば、あっという間にロシアがウクライナ全土を占領したとしても不思議ではなかったという。

「アントノフ国際空港をフル活用すればロシア軍の補給が容易になりますし、ゼレンスキー大統領を殺害すればウクライナ国民の士気は喪失したでしょう。しかしロシア軍特殊部隊が大統領府を急襲した際、ゼレンスキー大統領は自動小銃を手に最後まで応戦する覚悟を示しました。ウクライナ軍は必死に持ちこたえ、やがて特殊部隊も空挺部隊も共に撃退します。アントノフ国際空港はロシア軍の地上部隊が再攻撃を行いましたが、やはり最終的には敗退しています。実は空挺作戦の成功率は極端に低いのです。そもそもロシア軍には帝政ロシア時代から延々と続く敗戦の歴史があります。なぜ負け続けるのか、それは敗戦の教訓に学ばないからでしょう。プーチン大統領も例外ではなく、例えば2008年の『ロシア・ジョージア戦争(南オセチア紛争)』で得た貴重な戦訓をウクライナ侵攻に活かしていません。そのため甚大な損害を今も被っているのです」(同・ジャーナリスト)

 第2回【激化する報復合戦「プーチン大統領」は“亡国の最高司令官”となるか? ウクライナ侵攻でも露呈するロシア軍の“不名誉な伝統”とは】では、「帝政ロシア以来、ロシア軍は勝利したと言える戦争がない」という驚きの歴史と、プーチン大統領が軍の最高指揮官として“不適格”である理由を更に詳しくお伝えする──。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。