14歳年上の人妻教師に恋した中学生 「男として認められた」8年かけて思いを告げるまで
けれども先生は人妻…卒業時にわたした“ラブレター”
麻由美さんは、彼の近所に住む幼なじみの叔母、母親の妹だった。当時28歳の新婚でもあった。
「結婚したいとか奪いたいとか思っていたわけではないので、そんなことがわかっても別に動じませんでした。いや、違うな。動じたけどどうにもできないのが本当のところかもしれません。ただ、先生への思いは消えなかったから、ひたすら数学を勉強するしかなかったんでしょうね、当時の僕としては」
卒業するとき手紙を渡した。ラブレターになりそこねた感謝の手紙だったが、彼はそれで一応の満足を得たという。ところが高校に入ると、それまで得意だった数学に取り組む意欲がみるみる失われていった。琢己さんが望んだのは、「また麻由美先生に質問しに行く」ことだった。
偶然、幼なじみに会ったので、「高校の数学がわからない。麻由美先生に教えてもらえないか」と頼んでみた。「話してみるよ」と言ってくれたのだが、ちょうど麻由美さんは妊娠しており、これから産休に入るところなのでむずかしいという返事だった。
「突き放されたような気がしました。妊娠した、子どもができるというのは、もう完璧に僕の入り込む余地がなくなったということだった。なんともいえない喪失感がありました」
再会で、心臓が止まりそうに
それなのにふと気がつくと、麻由美さんのことを考えていた。あきらめがつかなかった。いつまでも先生のことを思い煩っていてもしかたがないと理解しているのに、頭の中には先生の笑顔が浮かぶ。
「苦しかったですね。そのころたまたまゲーテの『若きウェルテルの悩み』を読んだんです。僕のことだと思って涙しました。僕も自分が死ぬことでしかこの苦しみからは解放されないんだと。焦がれ死にという言葉に憧れたりもしました」
青春の思い出だと片づけられれば、それは誰もが通る道なのかもしれない。ただ、彼の場合、あきらめの悪さが縁を繋いだ結果となった。
悶々とした高校時代を経て受験した大学は、全部不合格となり、彼は浪人生になった。括りとしては学生だが、高校生でも大学生でもなく不安定な身分である。精神的にも不安定になった。
「それでも自分の道を切り開かなければいけないと、ようやく気持ちを新たにしてある予備校に入ったんです。いちばん前の席に座って、講師を待ち受けたら、そこに現れたのは麻由美先生だった。心臓が止まりそうになりました。あちらもびっくりしたみたいで」
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