高級感あふれるデザインは分かるけど…“まちびらき”から4カ月「高輪ゲートウェイシティ」が盛り上がりに欠ける理由 なぜ再開発された大型施設は「テナント」も「見た目の印象」も似てしまうのか

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 3月27日、JR東日本が高輪ゲートウェイ駅周辺で進めていた「TAKANAWA GATEWAY CITY(以下、高輪ゲートウェイシティ)」の“まちびらき”が行われた。鳴り物入りでオープンし、もうすぐ4ヶ月が経とうとしている。

 交通の要衝である品川駅の近くに、“事実上のゼロから街を造る”ということで、大きな注目を集めていたのは事実。とはいえ、現在、多くの客が訪れる観光名所になっているかというと、いささか微妙であり、正直なところ盛り上がりに欠けるという意見も少なくない。そんな高輪ゲートウェイシティを訪問してみた。【取材・文=宮原多可志】

あの大階段はただいま“工事中”

 高輪ゲートウェイシティは、オープン直後こそ盛んにメディアで取り上げられたものの、もともと目玉になるようなアピールポイントに乏しい面があったようだ。そのため、SNSで一躍有名になってしまったのが、テナントよりも、“危ない階段”だった。階段の境目がわかりにくいため、何度か転落事故が起こっていると報じられると、写真が大いにバズった。

 7月上旬、大階段の現状を確認に訪れたところ、なんと工事の真っ只中であった。現地の案内板を見ると、5月11日から工事が始まったようで、完成予定は10月31日となっている。大階段の前後は白いパネルで覆われて中が見えないようになっており、タイルが何枚か剥がされていた。造り替えようとしているのかもしれない。

 今後、大階段がどのように改修されるのか、現時点では不明である。4月に取材した際には、SNSやネットニュースで話題になっていたこともあって、“階段を見るため”に訪れていた人がいたのが印象的だった。今回はさすがにそうした人も見当たらず、白いパネルを誰も気にすることなく通り過ぎていった。

デザインが統一されすぎている

 2003年に「六本木ヒルズ」が開業して大成功を収め、“ヒルズ族”という言葉が生まれるほどのブランドイメージを確立した。その後全国各地で、JRグループも含め、様々なディベロッパーによって大規模な再開発が行われたが、六本木ヒルズより成功したという話は聞かない。そのうえ、現在は物価高や建設資材の高騰のため、再開発が頓挫する例も出てきている。

 近年、都心で再開発された施設がイマイチなのは、「どこもかしこもデザインやテナントが似たり寄ったりになっている」という点に尽きる。ビルのデザインもシンプルなガラス張りの箱型で、見分けがつかない。ランドマークになる“映えスポット”でもあればいいが、それもないため、SNS映えなどを狙う若い層が訪れないのである。歴史的建造物の赤レンガの東京駅のほうが、映えスポットになっているくらいだ。

 高輪ゲートウェイシティはどうか。駅の改札を出ると、駅前が殺風景に感じる人は多いのではないだろうか。それは、新宿や池袋の駅前のような、派手な看板やネオンがまったくないためである。近年の再開発のビルに共通しているのは、原色の看板をなくすことで高級感を演出する手法だ。そのため、景観に厳しいといわれている京都以上に、徹底してデザインがコントロールされている。

 しかし、外に看板がないと、建物の中に何があるのかがよくわからない。高輪ゲートウェイシティはビルの植栽の緑と、壁面のグレーばかりが印象に残る。施設の中に入っても、落ち着いた白、もしくはグレーや黒などの暗めの色で統一され、赤、黄、青などの明るい色がない。植栽が多いにもかかわらず無機質に感じられるのは、看板がなく、暗めの色ばかり目に入るのが原因なのかもしれない。

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