「VIVANT」だけじゃない おもしろすぎる「夏ドラマ」3選 「小池栄子」出色の刑事モノ、「佐野勇斗」は美形“解禁”、目が離せない「松村北斗」

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究極の純愛劇?

 最後に取り上げるのは日本テレビ「告白-25年目の秘密-」(土曜午後9時)。放送前の印象は正直あまり良くなかった。主人公・雪村爽太(SixTONESの松村北斗)が、初恋の人である野瀬麻里子(岡崎紗絵)を25年も一方的に想い続け、見守る物語と聞いていたからだ。「ヤバイ男の物語か」と思った。

 しかし、実際に始まってみると様相が異なった。爽太の愛情は純粋ゆえに、観ていて不快な気分にならない。爽太は小学生の時、麻里子が誘拐されそうになる事件を目の当たりにしたことから、「一生、彼女を守る」と決意した。

 爽太は麻里子を追って同じ学校、同じ会社へ進み、彼女が危険な目に遭わぬよう影のように寄り添い続けた。ここまで徹底すると、ある種、見上げたものである。

 就職先も同じ「野瀬化粧品」。ただし、麻里子は社長の野瀬銀次郎(石黒賢)の娘ということもあり、役員で第2ブランド事業部部長の地位にある。対する爽太はヒラの総務部員。それでも爽太の見守りは続いた。

 麻里子は新規事業を立ち上げるチャンスを掴むが、彼女の追い落としを図るライバル役員・立岩剛志(丸山智己)に妨害されてしまう。ここで爽太の出番となる。

 爽太は立岩に土下座して麻里子への協力を頼んだ。立岩は拒絶し、爽太を蹴り飛ばすが、それでも爽太は土下座を続ける。爽太は、立岩を屈服させる材料を握っていた。立岩の経費流用の証拠だ。

 その直後に立岩が殺されてしまうため、物語は一気にミステリーに傾く。麻里子を守るために爽太が手を下したのだろうか。

 全体的に韓流ドラマの色を強く漂わせている。愛する人との幼少期からのつながり、社内での立場の違い、野瀬家の確執。ドロドロとした展開が続く。計算ずくに違いない。

 このドラマを一番に支えているのは松村にほかならない。爽太は一歩間違えればただの危ない男だが、松村が理知的でシャイな部分を演技で強調するため、視聴者とかけ離れた存在に思わせない。

 松村の巧みな演技によって、爽太が麻里子にとっての「救世主」なのか「悪魔」なのか、最後まで目が離せないだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社。放送担当記者・専門委員として、1994年のNHK連続テレビ小説「春よ、来い」のヒロイン途中交代や、1999年のフジテレビ「愛する二人別れる二人」のやらせ問題などを特報する。2015年に毎日新聞出版へ入社し、サンデー毎日編集次長を務める。編集者としては「小池百合子都知事の真実」などを担当した。2019年に独立。元・放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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