“戦線は膠着”“経済は悪化”でもプーチン大統領が“終わらない戦争”を続ける理由 泥沼のウクライナ侵攻に変化をもたらす可能性を秘めた「プーチン大統領の異変」とは

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反体制運動も低調

「あえて単純化して説明すると、やはりロシアが世界屈指の産油国ということが大きいと言えます。裏ルートでロシア産の原油を購入したいという国家が存在する限り、相場より安く買い叩かれたとしても、ロシアには収益がもたらされます。それにプーチン大統領はウクライナ侵攻という自分の判断のミスは認めないので、戦局が停滞しているくらいで戦争を止めることは絶対にありません。国家財政が悪化しても何とか戦費をひねりだし、ロシア軍の質と量が低下したとしても、ウクライナへの攻撃を続けるはずです」(同・黒井氏)

 とはいえ国家財政が破綻するリスクが常につきまとう。さすがにロシア国民が異を唱えそうな気がするが、その点はどうなのだろうか?

「これまでに何度も欧米のメディアやシンクタンクが『厭戦気分の蔓延で、ロシアで反政府運動が活発化する可能性がある』と予想してきました。プーチン大統領は26年前に政権をとった当初から、ロシア情報機関を使って国内のメディアやネット情報をコントロールし、世論を誘導してきました。そのシステムは現在も強力です。つまりプーチン大統領は現在も、国内世論をしっかり抑え込んでいます。またロシア国民にとって最も関心の高い経済政策は、大統領の専管事項ではありません。常に部下に任せてきましたから、経済悪化が進行すると、まるで他人事のように部下を叱ります。その点では、北朝鮮の金正恩氏に似ていると言えるかもしれません」(同・黒井氏)

「終わりなき戦時下」

 黒井氏は「ロシアのウクライナ侵攻に劇的な変化が起きるとすれば、それはプーチン大統領に健康問題が浮上した時ぐらいではないでしょうか」と言う。つまり今後も戦争は続く可能性が高い。

「終わりなき日常を生きる」という表現は人口に膾炙しているが、ウクライナとロシアの国民は「終わりなき戦時下で生きる」ことを強いられるようだ。

 前編【プーチン大統領を襲う凄まじい“経済危機”リスク…ロシア軍の死傷者は“140万人”に達し、戦時経済は“危険信号”と海外メディア 「消耗戦によってロシア自体が消耗している」】では、120万人を超える戦死傷者を出して追い詰められているロシア軍の実態や、「国家福祉基金」の著しい減少に海外メディアが注目する理由を詳しく報じている──。

デイリー新潮編集部

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