工事中断の間に総工費は「5兆円→11兆円」…静岡県「リニア着工容認」でわかった「川勝前知事」の重すぎる「負の遺産」

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大井川の水問題

《東京・名古屋を40分で結ぶ中央新幹線のトンネル工事が難航している。技術的に難しいのではない。静岡県の川勝平太知事が、「水問題」を理由にストップをかけているのだ。とっくに始まっているはずの工事が、1メートルも掘り進められないでいる理由は何なのか。JR東海の関係者によると、/「この南アルプストンネル(静岡工区)は、静岡県の山間部を11キロほど横切るだけですが、問題になったのは大井川の水源地を通ることでした。2013年の環境アセスメントでは、毎秒最大2トンの出水が予想され、河川減水の恐れが指摘されたのです。そこで、JR東海は流量を見ながら、掘削で減った分を大井川に戻す方向で静岡県と話し合っていました」/翌年、工事計画は認可され、あとは本工事に取り掛かるだけだった。ところが、“ちゃぶ台返し”が起きる。川勝知事が、「まず、(湧水の)全量を戻すと明言するべきだ」と言い出したのだ》

 前出の地元記者は言う。

「そもそも大井川の水を一滴も漏らしてはいけないといった川勝前知事の発言には無理がありました。大井川の水は最上流部の田代ダムで取水され、発電に使われていますが、その水は山梨県の富士川に流されているのです。その量は毎秒4・9トンにもなっており、県が認可したものです。にもかかわらず、なぜそこまで川勝前知事は大井川の水にこだわるのか、県議会で質問もされていました」

 18年12月7日、静岡県議会の定例会での桜井勝郎県議の質問だ。

空港新駅の恨み

《最近知事はトンネル工事で発生する湧水を全量戻す件でJR東海を糾弾していますが、関連する地域住民、企業、静岡市も絡んでマスコミに注目され世間の関心を呼んでいます。まさしく劇場型の論争です。これぞ知事の存在感を発揮する最高の舞台です。日ごろからJR東海には空港新駅に対するつれない対応にふんまんやる方ない知事はその怒りをトンネル工事による湧水にぶつけたのであります。水を武器にして関連する世論を味方につけ言いたい放題であります。(中略)知事は、JR東海には命の水と言われている大井川の水を一滴たりとも渡さないと言いながら、あの田代ダムから毎秒4・99トン東京電力の発電用として山梨県側に流れているあの水は我々の命の水――大井川の水ではないのでしょうか》

「この田代ダムの件に川勝前知事は答えずじまいでした。だからなのか、今回のメッセージでは南アルプスの水については触れていますが、大井川については《大勢の作業員が寝泊まりすれば、生活雑排水が大井川上流の西俣川を汚染することは目に見えています》としか出てきません」(地元記者)

 ちなみに、桜井県議の言う《空港新駅に対するつれない対応》については、前出の「週刊新潮」でも触れている。

《静岡の県政関係者が言う。/「川勝さんの本音は、閑古鳥が鳴く富士山静岡空港に東海道新幹線の新駅を作って欲しいということ。ここは新幹線が真下を通っており、駅が出来るとエスカレーターで上がれる。しかし、静岡駅と掛川駅の中間にあるため、列車の減速は避けられず全体の運行本数にも負の影響が出ます。JR東海としては、とても飲めない話」》

 その怨念がリニア反対に向かったというわけだろうか。川勝前知事はメッセージを次の一文で締めている。

《JR東海は、「さすがサムライ・ジャパン!」と世間から評されたければ、静岡県をルート上に入れた過ちをいさぎよく認める勇気を発揮されたい! 「過ちは改むるに如かず」です》

デイリー新潮編集部

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