まだ終わっていないのに…レイサム、マートンだけではない“勘違いプレー”の悲喜劇

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 日本のプロ野球ファンにとって、どこか懐かしく映るプレーだったのではないか。

 6月30日のMLB、ガーディアンズ対レンジャーズで、思わぬ珍場面が起きた。7回1死二塁、外野飛球を処理したガーディアンズの左翼手がスリーアウトと勘違いし、ボールをスタンドへ投げ入れてしまったのである。【久保田龍雄/ライター】

思わぬ“悲劇”

 NPBでも2003年に巨人の左翼手・レイサム、2011年に阪神の右翼手・マートンが同様のミスを演じている。彼らのどこか憎めないプレーを思い出した人も多かったはずだ。もっとも、日本球界を振り返れば、アウトカウントの勘違いが生んだ珍場面はほかにもある。

 外野手が捕球直後にアウトカウントを間違えた結果、タッチアップした二塁走者が一気に生還するという“珍決勝犠飛”が記録されたのが、1990年6月5日のダイエー対オリックスだ。

 5対5の8回、オリックスは1死二塁で5番・藤井康雄がセンター右寄りに飛球を打ち上げた。センター・岸川勝也が右方向に追いかけ、余裕を持ってキャッチ。これで2死となった。

 ところが、スリーアウトと勘違いした岸川は、すぐさま内野に返球すべき場面でプレーを止めてしまう。

 すでにタッチアップしていた二塁走者・弓岡敬二郎は、これ幸いとばかりに俊足を飛ばして三塁を回り、決勝のホームイン。返球していれば、弓岡は三塁で止まっていたはずだが、「しまった!」と気づいたときには、すでにあとの祭りだった。

 試合は拾い物の1点で勝ち越したオリックスが6対5で勝利した。

 オリックス・上田利治監督は「あれはありがたかったけど、勝ちは勝ち」とニンマリ。本来なら中飛で打点が記録されなかったはずの藤井も、「ラッキー、ラッキー! 走者二塁で(犠飛の)打点を稼げるなんて」と大喜びだった。

 一方、痛恨のボーンヘッドに泣いた岸川は、この日、2回と4回に同点弾を含む2打席連続本塁打を放つなど、打撃は好調だった。だが、同点の7回2死満塁の勝ち越し機には、初球のボール球に手を出して遊飛に倒れていた。

「あそこで打っていれば、勝利のヒーローになれたのに……」。早打ちを悔やむ気持ちを切り替えられないまま、直後の守備に就いたことが、思わぬ“悲劇”を誘発したのかもしれない。

 報道陣から「アウトカウントの間違い?」と問われた岸川は、気まずそうに頷くだけだった。

全部僕が悪い

 二塁走者がアウトカウントを間違えたことで、4-3-1の珍併殺が成立したのは、2018年9月22日の日本ハム対楽天である。

 両チーム無得点で迎えた3回、楽天は1死から村林一輝が振り逃げで出塁した。次打者・田中和基のカウント1-1からの3球目にエンドランがかかり、田中は二ゴロを転がす。一塁走者・村林はスタートを切っていたため、二塁に送球してもタイミングは微妙だった。

 そう判断したセカンド・渡辺諒は、確実にアウトが取れる一塁へ送球。これで2死二塁となった……はずだった。

 ところが、二塁上にいた村林はスリーアウトになったと勘違いし、小走りで一塁側ベンチに引き揚げていく。まさに“カモネギ”である。

 この時点でボールはファースト・中田翔からマウンド上の村田透に渡されていた。すぐさま村田が村林に駆け寄ってタッチアウト。記録は二ゴロ併殺となり、楽天は2死二塁の先制機を自滅する形で逃してしまった。

 楽天といえば、2024年4月21日の西武戦でも、村林以上に記憶に残るまさかの勘違いプレーが見られた。

 3回1死一、三塁、小郷裕哉が右飛を打ち上げると、三塁走者・辰己涼介はタッチアップではなく、通常の走塁で本塁ベースを踏んだ。直後、一塁ベンチ前でナインにまだ2死であることを教えられ、慌てて三塁へUターンしたが、間に合わず、あえなく併殺に終わった。

 ベンチに戻った辰己は、先輩の浅村栄斗から「アホか、お前!」と一喝され、「全部僕が悪い。あんなミスを起こしては駄目。小郷に申し訳ない」と猛省する羽目になった。

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