プーチン大統領を焦らせる戦線の“残酷な現実”…新兵の平均生存時間は「35分」、進軍できたのは「1日わずか50メートル」 独裁政権がもたらした「異常な戦死者数」
独裁制と異常な戦死傷者
「ロシアが軍事力でドネツク州を完全に占領し、それから併合を宣言するのならまだ分かります。ところがプーチン大統領は併合を宣言してから、ドネツク州で侵攻作戦を実施しているわけです。戦史に類のない桁外れの戦死者が出ても作戦を継続し、『順調に進軍している』などの虚偽発表を繰り返しているのは、とにかくデタラメでも何でもいいので戦果を国民にアピールしたいのでしょう。裏を返せば、プーチン大統領は相当に追い詰められていることが見て取れるわけです」
軍事ジャーナリストは「ロシアは独裁国家ですから、プーチン大統領の命令は絶対です。それが大きな悪影響を与えています」と指摘する。
「民主主義国家は『シビリアンコントロール(文民統制)』の基本原則を遵守します。公正な選挙で有権者に選ばれた政治家が軍を指揮、統制するわけです。とはいえ、軍は大統領や首相の命令なら何でも従うわけではありません。言論の自由が保障されている国家なら、トップが『何が何でもコンスタンチノフカを占領しろ』と命令しても、それに合理性が認められなければ、軍のトップは『コンスタンチノフカは守りを固めているので、別の街を攻撃しましょう』などと代案を提示して協議することが可能なのです。また前線には状況を正しく判断できる下士官がおり、その存在と判断が部隊の生存率を上げています。その下士官がロシア軍には全く不足しています」
追い詰められたプーチン
だがプーチン大統領は独裁者のため、その命令は絶対だ。大統領が直接の命令を下していない場合でも、いわゆる“忖度”が横行する。
「『どうあってもコンスタンチノフカを占領する』と無謀な攻撃を続け、桁外れの戦死傷者が出ている理由の一つでしょう。これも全ての原因は、プーチン大統領がドネツク州の併合を発表したからです。併合を既成事実化するため猛攻撃を開始すると、ウクライナ軍が必死に抵抗するので頓挫します。前進しないと自分のメンツが潰れるため、さらなる猛攻を行うという悪循環です。最前線に送られた兵士は、プーチン大統領のメンツを守るために35分で戦死していくわけです。あまりにもひどい話だと思います」(前出の記者)
プーチン大統領は6月28日、ウクライナ4州を完全に制圧するまで戦争を続けると表明した。軍事ジャーナリストは「この発表から、逆にプーチン大統領が追い詰められていることが分かります」と指摘する。
後編【ロシアを亡国に追い込む「プーチン大統領」致命的ミス…「キーウ空挺作戦」の大失敗がロシア兵「140万人戦死」の原因 緒戦での誤算が“終われない戦争”を生んだのか】では、ロシア軍における新兵教育の杜撰な実態や、なぜウクライナ軍は善戦を続けているのか、最前線で何が起きているのかを詳しくお伝えする──。
註:ロシア軍新兵、ウクライナ前線での生存時間は「数十分」(中央日報・日本語電子版:6月30日)
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