日本ハムが世界初の初回先頭4連発 過去には延長10回に5者連続弾…球史に残る“ありえない一幕”
いきなり4人連続で打球がスタンドへ消える。そんな漫画のような出来事が、現実のプロ野球で起きた。
日本ハムが7月2日のオリックス戦で、初回先頭打者の水谷瞬から水野達稀、フランミル・レイエス、万波中正まで、NPB史上初となる初回先頭からの4打者連続本塁打を記録した。MLBにも例がないとされる、まさに世界初の快挙である。【久保田龍雄/ライター】
もう狙っていましたよ
もちろん、「初回先頭」という条件を外しても、4打者以上の連続本塁打は極めて珍しい。過去のNPBで記録されたのは、1971年の東映による5打者連続弾をはじめ、わずか5例だけだ。いずれも球史に刻まれる伝説的な一幕である。
今も語り継がれる連続本塁打の記録を、あらためて振り返ってみたい。
日本ハムの前身・東映が、「初回先頭」の括りなしでは今もNPB記録となる5打者連続本塁打を記録したのは、1971年5月3日のロッテ戦だった。
8回まで1対6と劣勢だった東映は、9回1死から大杉勝男のソロなど5安打に敵失を絡め、土壇場で6対6の同点に追いついた。これだけでも奇跡的だが、延長10回には、それ以上のミラクル劇が待っていた。
2長短打と四球で2死満塁の勝ち越し機をつくった東映は、投手の皆川康夫に打順が回ってきたところで、ベンチに唯一残っていた野手・作道烝(すすむ)を代打に送った。
同年は9打数無安打とまったく当たっていなかった作道だが、カウント1-1から佐藤元彦のカーブが真ん中に入ってくるところを「無心で」振り抜き、左翼席に叩き込んだ。
劇的な満塁本塁打に、9連敗中の東映ナインは「これで連敗脱出だあ!」と喜びを爆発させた。
ドラマはなおも続く。次打者・大下剛史も左越えソロで続き、2番・大橋穣も文句なしの左越えソロを放って、12対6とリードを広げた。
ここでロッテは佐藤政夫を火消しに送ったが、東映打線の勢いは止まらない。3番・張本勲も「ヤケクソだった。思いきりおっつけて打った」と、NPBタイの4打者連続となる左越えソロ。さらに4番・大杉も「もう狙っていましたよ」と佐藤政の直球を左翼席に叩き込んだ瞬間、日本新記録の5打者連続本塁打が達成された。
終わってみれば14対8の勝利。田宮謙次郎監督は「作道がよく打ってくれたね。5連続ホーマー? 打つたびにこれまでの(連敗中の)モヤモヤがすっ飛んでいったよ」とご機嫌だった。
ちなみに、この試合で二塁塁審を務めた前川芳男氏は「東京球場は外野の膨らみがなかったので、本塁打が出やすかった。9回の東映の攻撃で、2対6の2死一、二塁、遊ゴロを私はアウトって言ったんですよ。二塁手の山崎裕之が落球したのがわかんなくてね。東映から抗議され、協議してすぐ判定を変えたんだけど、そのあと6対6の同点、延長10回にホームランが5本も出る結果になって、ロッテから『どうして(9回のアウトの)判定通してくんなかった』ってボロクソ言われたね」と回想している。
日本ハムは1984年9月29日の近鉄戦でも、四死球を挟んだ4連続本塁打を記録している。今回の初回先頭からの4打者連続本塁打を含め、4連発以上の記録に複数回関わっているのも興味深い。
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