ジブリの新作短編にファン必見の“公式オマージュ” 超高難易度な「隠し要素」も明らかに
7月8日からジブリパーク(愛知県)で公開がはじまった、スタジオジブリの新作短編アニメーション「魔女の谷の夜」。監督をつとめたのは、ジブリパーク監督でもある宮崎吾朗氏と、「千と千尋の神隠し」(2001)の原画などを手掛けてきた山下明彦氏だ。スタジオジブリが初めてジブリパークのために制作した今作品の見どころとは。2人の記者会見の模様をお届けする。
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【写真を見る】2人の主人公の声を務めたのは「SixTONES・ジェシー」と「アイナ・ジ・エンド」
声優はジェシーとアイナ・ジ・エンド
「魔女の谷の夜」の特徴は大きく分けて2つある。1つは、ジブリパークを訪れた人だけが見ることができるということ。そしてもう1つは、ジブリパーク内に実在するエリア「魔女の谷」が舞台となっていることだ。
その狙いについて、宮崎吾朗氏と共に監督をつとめた山下明彦氏は、以下のように語った。
「一番のアピールポイントは、“舞台がすぐそこにある”ということです。実写でいえばロケ地にあたる場所が目の前にある。映画を見てから現地に行くのか、現地を先に見てから映画を見るのか、どちらでも楽しめるようになっています」(山下氏)
物語の主人公は、ジブリパークで働く“新人くん”(声:SixTONESのジェシー)と先輩のキクエさん(声:アイナ・ジ・エンド)。
その日はなぜか、パークのあちこちの建物から修理の依頼が舞い込む、不審に思う新人くんだが、キクエさんはおかまいなし。
閉園後の深夜0時、はじめての夜番に魔女の谷へと向かった新人くんが目にしたのは、マントを羽織ったキクエさんの姿。そして、キクエさんの「呪文」を合図に、いっせいに動き出す建物たちの姿だった……!
「映画を見たあとに現地を見ると“あ、これが動くのか”と思えるし、先に現地を見た人が映画を見ると“さっき見た場所がこんなになってる”と感じてもらえる。ロケ地が近いことで、そうした楽しみ方ができるのが、僕の一番の推しです」(山下氏)
「吾朗さんのスケッチがすべての引き金」
山下氏からはこんな裏話も。実は、「魔女の谷の夜」の制作が始まる前は、別の企画案で進める予定だったという。
「ところが、当初案では全然絵が思いつかない。どんな映像になるかも分からないし、絵が描けなくて。(宮崎)吾朗さんとミーティングして“難しいね”という話をしていたら、“こういうのもあるんだけど”と出してきたのが、今回の企画のスケッチでした」
宮崎吾朗氏がそのスケッチで描いたアイデアこそ、ジブリパークの建物が深夜に動き出す、というストーリーだった。
「ジブリパーク内には『ハウルの動く城』がありますが、映画では本当に動く城じゃないですか。でもパークにいるお城はずっと座ったままなので、“動いていないと健康に悪いな”と思ったのが、企画を思いついたきっかけでした」(宮崎氏)
なんともユニーク、そしてチャーミングな発想だ。そのスケッチを見た山下氏は――。
「一目見て“おもしろい!”と、ぱっと絵が浮かんだんです。そこからは早くて、2週間ぐらいで全体像が決まりましたね。吾朗さんのスケッチがすべての引き金でした。こんなにぱっと絵が浮かぶことは滅多にないです。ほんとにいい絵でした」(山下氏)
驚きの“隠し要素”
ファン必見なのが、作中に登場する、ジブリの名作映画を彷彿とさせるキャラクターたち。詳しくはこれから作品を観る人たちのために控えるが、ジブリファンなら思わずウキウキしてしまう“公式オマージュ”がいくつも見受けられた。
この点について聞かれた山下氏からは、驚きの“隠し要素”が明かされた。
「一番分かりやすいのは、『君たちはどう生きるか』のアオサギです。実はそのまま出てくるのですが、皆さん気づけるでしょうか。実はほかにも3つ、気づきにくい隠しキャラがいるので探してみてください。これはもしかすると、よく見ても分からないかもしれない。観る人を飽きさせないように、そして何度でも見たいと思ってもらえるように工夫したところです」(山下氏)
宮崎氏は、アニメーションを手掛ける会社らしく、映像をアトラクションにしたい、という思いをずっと抱いていたという。
「ジブリパークにはいわゆるテーマパークのような乗り物アトラクションがないので、何かアトラクションがあったほうがいいのだろうかとずっと考えていました。ただ、そういうものを作るよりも、スタジオジブリが関係しているわけだから、映画を作るのが一番のアトラクションになるんじゃないかと」(宮崎氏)
少し気が早いが、記者会見では“次回作”について匂わせるような場面も……。「三鷹の森ジブリ美術館」(東京)では、これまで10作品の短編アニメーション映画が上映されてきたが、今後のジブリパークの“新アトラクション”にも期待がかかる。
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新潮QUEで配信の記事【宮崎吾朗が本音で語った60分 クリエイターとしての「現在地」と「魔女の谷の夜」で6年ぶり監督復帰の理由】では、ジブリパークの制作全体を指揮し、スタジオジブリの常務取締役でもある宮崎氏が、今何を考えて、これから何をするつもりなのか、その心境について詳しく伝えている。
また、【宮崎吾朗が明かした「ジブリパーク」リニューアルの狙いと「パノラマボックス」「魔女の谷の夜」の秘密】では、この日行われた記者会見で宮崎吾朗氏と山下明彦氏の語った内容を、より詳しくお届けしている。




