「橋上巨人」快進撃のカゲで阪神が実力を発揮できないのはナゼか…セ優勝争い3チームで「4番を打ったレジェンド」が首をかしげる理由

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“主軸”を欠く巨人とヤクルト

 広澤氏は開幕前、1位が阪神、2位が中日、3位が巨人、そしてヤクルトはBクラスと予想していた。中日とヤクルトが入れ替わった格好だが、改めて当時の予想と今の順位を振り返ってもらった。

「予想で巨人を3位にしたのは、“チームの主軸”が不在であることを重視したからです。今の巨人には絶対的なエースや絶対的な4番といった“頼れる主軸”がいません。長いペナントレースを勢いだけで勝つのは無理です。ヤクルトにも同じ懸念を持っていますが、確かに若手中心のチームは勢いに乗ると強いかもしれません。しかし厳しい局面に立たされると精神的に脆いという傾向もあります。長いペナントレースでは必ず苦しい時期が訪れます。巨人もヤクルトも例外ではありません。両チームに“主軸”が欠けているのはマイナスポイントだと判断しましたし、今もその考えは変わっていません」

 広澤氏が「阪神は優勝する可能性が高い」と予想したのは、まさにその逆だ。阪神には投打の“主軸”が揃っている。

「阪神は巨人やヤクルトとは異なり、明確な“勝ちパターン”を持っています。『この投手が投げ、この打者が打てば必ず勝つ』と分かっているチームは苦しい局面でも持ちこたえることができるのです。阪神はもっと余裕をもって戦い、1位を独走していても不思議ではない戦力が揃っています。ということは、今の阪神は潜在能力を充分に発揮できていない状態だと言えます」

ソフトバンク戦は鬼門?

 広澤氏が注目するのは6月9日から11日まで行われたソフトバンクとの3連戦だ。

「ソフトバンク戦が“鬼門”のようになった印象です。そもそも昨年の交流戦で阪神はソフトバンクに負け越し、甲子園でソフトバンクが交流戦優勝を果たしました。小久保監督が『秋に阪神と日本シリーズで戦いたい』と挨拶して物議を醸しましたが、実際に昨年の日本シリーズは阪神とソフトバンクで戦われました。ところが阪神は精彩を欠き、1勝4敗で敗れてしまったのです。しかも今年の交流戦は3連敗でした。あの後、チームの雰囲気が悪くなり、勢いに陰りが出てしまったように見えました」

 阪神はファンから「ここ一番に弱い」と苦言を呈されたり、「あと一歩で常に泣いてきた」と総括されたりした歴史を持つ。特に昭和時代の阪神を知るファンなら「肝心なところで勝負負けする」阪神のイメージを今も鮮明に憶えておられるだろう。

 これが阪神の伝統的な“トラウマ”だと言える。ソフトバンク戦でも、このトラウマが大きな影響を与えたのではないかと勘ぐってしまうほど、阪神は精彩を欠いた。

「気になるのは、以前から在阪メディアを中心に『藤川球児監督の厳しい指揮で選手が萎縮している』、『藤川監督の妥協しない姿勢に選手が不満を持っている』と指摘されてきたことです。私の理解では、監督と選手のコミュニケーションを円滑にするため、和田豊ヘッドコーチに期待が集まっていたはずです」(同・広澤氏)

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