トランプ氏の勢いに明白な陰り…失速の焦りが向かう“左派叩き” 「反共」ムード高揚で米国は「冷内戦」に突入か

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関税と選挙で“法廷闘争”

 その最も代表的な例は関税政策だ。

 国際緊急経済権限法を根拠にした包括的な関税を導入した措置は、今年初めに連邦最高裁に違憲と判断され、停止を余儀なくされた。その後、トランプ政権は1974年通商法301条など別の法的根拠を用いて関税を維持しようとしているが、当初掲げた強硬な構想は見る影もない。

 トランプ氏は大統領選挙期間中、辞書の中で最も好きな言葉は関税だと語っていたが、最近、関税という言葉をほとんど使わなくなった。

 中間選挙で勝利するため、トランプ氏は選挙制度の見直しにも熱心だ。だが、ここでも司法や議会の壁が待ち受ける。

 ボストン連邦地裁は6月25日、郵便投票の規制を厳格化する大統領令について、実施を差し止める判断を下した。この大統領令を巡っては、州の連邦選挙運営に政権が違法な介入を図っているとして、野党・民主党主導の複数の州が提訴していた。トランプ政権は控訴する構えだが、判決が覆る可能性は低いだろう。

 トランプ氏が最優先の立法課題と位置付ける「セーブ・アメリカ(有権者資格保護)」法案にしても、成立の目途は立っていない。連邦選挙で投票資格証明を厳格化するこの法案について、上院の共和党議員の一部が反対の姿勢を崩さないからだ。

野党・民主党で急進左派が躍進

 思惑通りに事が運ばないことに焦るトランプ氏は、さらに危険な手段に打って出ようとしている感がある。

 筆者が注目したのは、トランプ氏が独立記念日の前日(3日)に行った演説の内容だ。中西部サウスダコタ州の景勝地ラシュモア山で演説したトランプ氏は、国内の急進左派を念頭に「米国のアイデンティティー」に対する新たな脅威として激しく非難した。

 その背景には、中間選挙に向けた民主党予備選で、大企業や富裕層への優遇を糾弾する「民主社会主義者」や「進歩派」と呼ばれる急進左派が躍進している現状がある。

 ニューヨーク州やコロラド州で実施された民主党予備選では、4人の急進左派候補が激戦を制した。ケンタッキー州、ニュージャージー州、オハイオ州、ペンシルベニア州、テキサス州でも急進左派候補が勝利している。

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