洪明甫監督に「殺人予告」も…イングランドでは「首相の次に重要な職務」と称えられる「サッカー代表監督」のドラマ W杯に優勝した全監督の“意外な共通点”とは
占星術に頼る監督も!
お隣の韓国では冒頭の洪明甫の記憶が新しいが、1998年の車範根(チャ・ブングン)監督の解任騒動も有名だ。1次リーグで2連敗し、決勝進出の目がなくなると、残り1試合を残して電撃解任。同時に同監督の出ていた大手家電メーカーのCMは、一切流れなくなった。その中には、「これでワールドカップを観よう」というコンセプトの大型テレビのCMもあっただけに、成績不振は可愛さ余って憎さ100倍の感だったか。実際、帰国した監督は、空港で特殊部隊にその身を厳重に守られながら移動していた。
ほどなくして車範根は、中国のプロチームの監督になった。前後に、こんな言葉を言い残している。
「当分の間、韓国を離れたい」
一方で、ヒーロー視されたのがこの4年後の2002年、韓国をベスト4に導いたオランダのヒディング監督。輝かしい成績を残したお陰で、韓国の首都、ソウルの名誉市民ともなっている。この時、その指揮のもとグラウンドで戦い、韓国チームを率いた主将こそ、冒頭の洪明甫なのだが……。
では、今回日本に勝ち、W杯通算5度の最多優勝を誇るブラジルの監督の案配はいかがだろうか? こんな報道がある。
〈悩めるブラジル監督、遂に占星術頼み!?〉(毎日新聞。2001年11月6日。夕刊)
ブラジルの有名紙「オ・グローボ」を出典とする同記事によれば、同時期の南米予選で苦戦していたブラジル代表のスコラ―リ監督が、自分の出身地にある占いの会社、アストロ・スポーツ社に、選手起用などで助言を求めたのだという。その謝礼に、監督が小切手で2860レアル(当時の価値に換算して約12万2000円)払ったこと、並びに別の日には占い師が試合会場近くのホテルまで監督に同行したことも報じられている。
紙面では同監督が記者の直撃を受けており、監督は「星の配置で選手起用など、決めたことはない」と返答している。しかし、それだけに、直後に掲載されている占星術師のコメントは心に残る。
〈「監督はさそり座だから、後になって否定する宿命にある」〉。
そして、更に印象的なのが、この年の予選を勝ち抜いたブラジルが翌年、5回目のW杯優勝を成し遂げたことであった。
W杯優勝監督の共通点
W杯に優勝するチームには、1つのジンクスがある。それは、「外国人監督では、優勝したことがない」という事実である。今まで優勝したチームは、全て自国の監督が率いたチームなのだ。
ここで今回のW杯中の森保監督の姿を思い起こす方は多いだろう。ピッチの傍らで指揮を執りつつ、時おり何事かを手持ちのノートに書きこんでいた。森保が書き足すことは、普通にその時、試合で気付いたことだったが、それを観た視聴者が、「あれは相手の選手の名を書いて消す、“デスノート”だ」とSNSでユーモラスに盛り上がる側面もあった。しかし、だからこそ、ノートの背面に、最初から記してあった2行を知ると、感動の声が相次いだ。
それは、6月28日、サッカー日本代表の公式SNSが接写写真として投稿したものだった。
〈日本は、できる。
さあ、思い切って行こう。〉
他の報道では、中身にこう綴られていることも撮られている。
〈日本に不可能はない
日本人であること 喜び 誇り 幸せ〉
大会前の会見や決意表明で、何度も「日本のために、戦って来ます」と繰り返し、「君が代」の斉唱では涙した森保監督。月並みな視点かもしれないが、国の下に一丸となる姿勢こそ、勝利をより近くするスタンスではないか、これまでのW杯優勝チームの監督のナショナリティーも、それを証明して余りあろう。
共著も含め、いくつか著作のある森保監督だが、2012年と2014年に上梓した著作には、東日本大震災、広島土砂災害の復興のため、〈印税を全額寄付させていただきます〉と、明記されていた。
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