低迷する「広島カープ」復活のカギは“現役ドラフトで加入の韋駄天”…「広島が強いときは必ず“スピードスター”が誕生します」

スポーツ 野球

  • ブックマーク

強いカープにはスピードスター

 あらためて広島の新しい戦力を見てみると、異色の選手もいた。内野手の辰見鴻之介(25)だ。辰見は20日の東京ヤクルト戦で二盗を試みた際、ヘッドスライディングで左膝を痛め負傷交代している。22日に検査を受け、そのまま一軍登録を外されてしまったが、「長引く怪我ではない」というのが周囲の意見だ。

 辰見に注目すべきはスピードで、一軍登録を外されて一週間以上が経った今も「盗塁部門」で僅差の3位となっている。1位が東京ヤクルト・岩田幸宏(28)の18個で、2位が巨人・浦田俊輔(23)の17個、辰見は16個。復帰後、この盗塁王のタイトル争いを繰り広げてくれるはずだ。

 広島といえば「機動力のチーム」との印象もあるが、盗塁王は17年の田中広輔以来、現れていない。

「広島が強いときは、必ずスピードプレーヤーが出現しています」(地元メディア関係者)

 歴代の広島輩出の盗塁王を見てみると、53年の金山次郎を皮切りに、64年と68年に古葉竹識、75年に大下剛史、76年衣笠祥雄と2年連続でそのタイトルホルダーを輩出。その後も89年・正田耕三、野村謙二郎が90年、91年で3年連続を記録している。野村は94年にも盗塁王となり、他にも髙橋慶彦が79年、80年、85年に、緒方孝市が95年から3年連続で、10年・梵英心、13年・丸佳浩、17年・田中広輔が同タイトルに輝いている。

 興味深いのは広島から盗塁王が出たシーズンのチーム成績で、17シーズン中日本一が2回、優勝は3回を記録していた。盗塁王輩出のシーズンでAクラス入りを逃がしたのは2季しかなかった。

 つまり、スピードプレーヤーの出現は「強い広島」の象徴である。その辰見の負傷はターノック同様、不遇としか言いようがないが、こんな意見も聞かれた。

「彼は試合終盤、代走で起用されることが多く見られました。盗塁は出塁しなければできません。後半戦に復帰してきたら、量産する可能性もあります。すでにセ5球団は辰見のスピードを認めていますし、『代走・辰見』は相手バッテリーにプレッシャーを掛けることにもなるでしょう」(前出・同)

 辰見は昨年オフの現役ドラフトで楽天イーグルスからやってきた。22年育成ドラフトで楽天に1位指名され、ルーキーイヤー途中で支配下登録を勝ち取ったが、その後は育成落ちと支配下復帰を繰り返してきた。チャンスに恵まれなかった男が、チーム再建の象徴的存在になるかもしれない。

次ページ:チーム再建のカギを握る選手

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。