超進化するAIを前に「コンサルって本当に必要?」…生き残るコンサルに必要な「3つの価値」 AI時代にもクライアントから重宝される「唯一無二の仕事」とは
難関大の学生がこぞって目指すコンサル業界が岐路に立たされている。最大の理由は凄まじいスピードで進化を続ける“AI”の存在だ。コンサル業界では“戦略系”を頂点に、“総合系”、“伴走系”というピラミッドが形成されてきたが、“頭脳労働ほど代替される”AIの特質は、このヒエラルキーを変えようとしている。では、AI時代に生き残るのは、一体どんなコンサルタントなのか。筆者は、これからのコンサルタントの価値は大きく3つに収斂されると考えている。【松本昌平/元官僚芸人まつもと】
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前編【27年卒「就活戦線」も影響不可避…東大・京大生が殺到する「コンサル人気」が風前の灯火に 花形の「戦略系コンサル」が最も打撃を受ける“AI超進化”の皮肉な現実】の続き。
第一に、泥臭く現場に深く入り込み、人間関係や組織の文脈を踏まえながら、課題解決に取り組む役割だ。
たとえば、スパゲッティのように絡まったワークフローを解きほぐし、属人化したタスクを言語化して効率化・IT化を図る。リアルであればあるほど、混沌が深ければ深いほど、人間への依存が高ければ高いほど、AIは立ち入ることが難しい。現場のリアルな環境を人間のコンサルタントが処理し、整理や分析をAIに任せることで、よりコンサルとしての価値が高まる可能性がある。こうした領域は“戦略系コンサル”ではなく、“業務系”や“IT系”、“伴走系”が主戦場としてきた分野だ。
第二に、大量のデータを集めて意味づけし、独自ロジックを設計することで、AIに他社とは違う答えを出させる役割である。
これまでは、優秀なコンサルタントをどれだけ多く抱えられるかがコンサル企業の競争力を左右した。だが、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の実験では、AIはコンサルタント全般の能力を著しく高め、“優秀なコンサルタントと平均的なコンサルタントの差を縮める”ことが分かっている。
つまり、AI時代には優秀なコンサルタントの価値が相対的に下がるわけだ。そうなると、AIをどれだけ深く、巧みに操れるかがファーム間の勝負を分けることになる。
したがって、AI環境の整備で後れを取ったり、セキュリティ問題をクリアできずにAIを満足に扱えないファームは落伍せざるを得ない。その後、残るファームに問われるのは、自社のAIに、他社より優れた結果を出力させる能力である。つまり、AI使いの能力に他ならない。
「仮説ドリブン」の限界
従来のコンサルは、仮説ドリブン(まず仮の結論を立てて、それを検証しながら仕事を進める手法)で価値を生み出してきた。もちろん、その仮説は、頭脳明晰で経験豊富なコンサルタントが紡ぐ極めて筋の良い仮説である。しかし、極論を言えば、それは「思いつき」にすぎなかった。この世の複雑な状況をすべて踏まえた上で帰納的に方向性を出すことは難しい。だから、まず筋のいい思いつきがあり、そこからスタートするのがコンサルのやり方だった。
だが、AIが大量の情報を処理した上で方向性を示せるようになると、コンサルの在り方は決定的に変わる。人間のコンサルタントよりも多くの情報を根拠に、より正確に世の中の流れを読めるようになる。つまり、これからはAIに入力するデータの種類や量、意味付け、独自の特殊なロジックによって、コンサルの仕事に差がつくようになる。
第三に、コンサルが取引する相手が人間である以上、顧客との信頼関係を築き、相手の本音を引き出し、意思決定を前に進めるのもやはり「人」である。コンサルサービスをクライアントに売る「営業の役割の価値」は今後も変わらないだろう。
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