27年卒「就活戦線」も影響不可避…東大・京大生が殺到する「コンサル人気」が風前の灯火に 花形の「戦略系コンサル」が最も打撃を受ける“AI超進化”の皮肉な現実
「とりあえずコンサル」
近年、東大・京大をはじめとするトップ大学の「就職人気ランキング」では、世界的な“コンサルティング企業”が上位を独占している。トップ大生の間では「とりあえずコンサル」という言葉が広がるほど、定番の“勝ち組就職先”となったように思える。あまりの圧倒ぶりに、コンサル業界に長く身を置く筆者ですら不安を覚えるほどだ。
だが、そんなコンサル人気にいま、陰りが見え始めている。前述のランキングでもコンサル企業のシェアや順位に変化が生じ、SNSや就活系動画でも、業界の今後について悲観的な予測が相次ぐ。もちろん、まだ業界全体が沈み始めたとまでは言えないが、少なくとも、“猫も杓子もコンサル”といった圧倒的な人気は峠を越えた感覚がある。【松本昌平/元官僚芸人まつもと】(前後編のうち前編)
【写真】三菱商事や三井住友銀行を抑えて“コンサル”だらけ! 2027年卒「東大・京大生の就活人気企業ランキング」
ひと昔前、コンサルは知る人ぞ知るマイナーな業種だった。例えば、筆者が新卒だった2005年当時、コンサルは「優秀だけど少し変わった人」、いまで言う「意識高い系」が目指す場所だった。だが、この10年ほどでコンサル業界をめぐる状況は激変した。その存在が急速に世の中に浸透し、認知され、そして、就職人気のど真ん中に躍り出た。
なぜこれほどまでにコンサルの存在感は増したのか――。
ひとつは、業界人口が爆発的に増えたことにある。例えば4大コンサルの雄である「デロイト トーマツ」の社員数は10年前に約1万人だったが、現在は2万人強に倍増している。
戦略系、業務系、伴走系
もうひとつは、コンサルの定義が広がったことだ。言い換えれば、“これまでコンサルの仕事ではなかったものがコンサルの仕事になった”わけである。
コンサルといえば、かつては「マッキンゼー」や「BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)」に代表される“戦略コンサル”を意味した。これは、大前研一氏や堀紘一氏といった一癖も二癖もある大物コンサルタントが、一流企業のトップや経営層と大戦略を議論する、といったことだ。その後、コンサルが浸透していくなかで、経営層だけのものではなくなっていくが、それでも、コンサルの主なカウンターパートはあくまで一流企業の部長級以上だった。
一方、1990年代から2000年代にかけて“業務系コンサル”や“IT系コンサル”が業界の裾野を広げていく。特に2010年代後半からDX需要が本格化し、コロナ後にその流れが決定的になる中で「アクセンチュア」や「デロイト」が爆発的に存在感を増していく。
さらに、2020年代に入って、企業の人手不足を背景として現場に深く入り込み、社員の代替のように実務を回す“伴走系コンサル”が急成長した。その代表格が「ベイカレント」と言えるだろう。
つまり、「コンサル」の定義は時代を経るごとに拡大し続けてきた。いまや、クライアントに何かアドバイスをすれば、その瞬間に「コンサル」と呼ばれる時代になったと言える。
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