子どもが私立理系に進学したら「老後資金が吹き飛びました」 学費672万円、大学院進学、浪人…文系親が受けた衝撃【FPが助言】

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【再生の処方箋】「老後は働けなくなる」マインドセットを今すぐ捨てよ

 十分な準備ができていなかったために教育費に貯蓄全てを吸い取られ、50代にして貯蓄が底を突いた親たちに対し、八木さんが示す処方箋は、節約テクニックなどではなく、親自身の「マインドセットの転換」だ。

「『60歳や65歳になったら働けなくなる』という固定観念を今すぐ捨ててください。今の70代は元気でピンピンしています。教育費で資産を失ったなら、自分自身が長く働くことでリカバリーする、そう考えましょう」

 といっても、60代になって現役時代のような高収入を目指す必要は全くないという。週に数日、あるいは短時間の勤務で「月に5~10万円」を稼ぐだけで、家計の景色は一変する。

「夫婦で月に10万円稼げれば、年間で120万円。65歳の年金受給開始後も、それを10年間続ければ、1200万円という大金が生まれます。これだけあれば、子どもが理系に進学しようが、1年浪人しようが、失った分の老後資金は余裕で全額穴埋めできるのです。長く働く覚悟を決めるだけで、教育費の恐怖はほとんど軽減されるのではないでしょうか」

 定年後も細く長く稼ぎ続けるために、会社員として組織に守られている40代、50代のうちに、スキルを磨き、人脈を作っておくこともおすすめだという。

 同時に、夫婦間の対話も欠かせない。

「子育ての終わりが見えてくると、『子どもが独立したら、さっさと仕事を辞めてラクになりたい』と考える人は多いもの。わが子の『浪人』『理系進学』『大学院』といった想定外の出費が見えてきたら、早い段階で現実の数字を夫婦で共有し、『あとひと踏ん張り、一緒に働いてがんばろう』と笑顔で合意しておきましょう」

※紹介する事例は、プライバシー保護等のため、アレンジを加えている。

八木陽子(やぎ・ようこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)。キャリアカウンセラー。株式会社イー・カンパニー代表。2001年に独立。全国の小・中・高等学校での金銭教育や、教育費に悩む保護者へのコンサルティングを数多く手がける。著書に『10歳から知っておきたいお金の心得~大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方』など多数。

取材・文/鷺島鈴香

デイリー新潮編集部

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