「危険スイング」新ルール導入で注目 プロ野球で実際にあった“恐怖の飛ぶバット”

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防球ネットを越え、スタンドに

 スタンドの観客も、けっしてバット禍とは無縁ではない。

 空振り三振の直後、スイングしたバットが勢い余ってスタンドに飛び込む“空飛ぶバット事件”が起きたのが、2017年9月3日のソフトバンク対楽天である。

 1回表、楽天は2死無走者でペゲーロが打席に入った。カウント2-2から3球続けてファウルで粘り、迎えた8球目。和田毅の真ん中低めにワンバウンドするカーブに対し、ペゲーロは手をいっぱいに伸ばして何とか当てようとしたが、空振り三振に倒れた。

 ところが、勢い余ってペゲーロの手を離れたバットは、クルクル回転しながら高々と宙を舞うと、一塁側内野席の防球ネットを越え、スタンドに飛び込んでしまった。

 幸いけが人はなかったが、予想もしなかったバットの襲来に、スタンドが大きなどよめきに包まれたのは言うまでもない。

 2025年6月27日のヤクルト対阪神でも、3回に阪神・ヘルナンデスが三塁側へファウルを打った際、折れたバットが高々と弧を描き、三塁側内野席へ飛び込んだ。観戦中の男性の近くまで飛んだように見えたが、大事には至らなかった。

 筆者も今年の交流戦期間中、満員の神宮球場内野席でヤクルト対日本ハム戦を観戦したが、周囲には会話に夢中になり、打球の行方を追えていない観客もいた。球場観戦では、わずかに目を離した瞬間に、ファウルボールや折れたバットが飛んでくることもある。

 プレー中は何が起きるかわからない。打球だけでなく、折れたバットや手を離れたバットが飛んでくる可能性もある。球場で観戦する以上、ファウルボールと“飛ぶバット”にはくれぐれもご注意を。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘! 激突! 東都大学野球』(ビジネス社)

デイリー新潮編集部

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