「養子案に陛下は違和感を…」 皇族数確保について天皇陛下が「国民のみなさんの理解が…」と発言された“真意”
「本来論じられるべきテーマは先送りにされ……」
さる10日、皇族数確保に関する全体会議で取りまとめられた「立法府の総意」が、衆参両院の正副議長から高市首相へと手渡された。今後は政府によって皇室典範改正の作業が進められるわけだが、こうした一連の動きに、当の天皇陛下は「警鐘」を鳴らされたのだった。
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10日の全体会議では(1)「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」、(2)「旧宮家の男系男子を養子に迎える」の2案が「了とし、法制化することを求める」とされ、立法府の総意となった。
が、その「総意」では、(1)案について配偶者や子の身分は明記されず、(2)案でも、「必要に応じて一定年数ごとに見直す」などと記されている。
「先だって示された取りまとめ案と同じく、安定的な皇位継承のための方策については『引き続き、検討することについても、付帯決議において確認する』ことを各党会派に要請している。本来論じられるべきテーマは先送りにされ、さらに2案とも細部が詰められないまま総意とされてしまいました」
とは、全国紙デスク。
「陛下の強いご意思を感じる」
そんな折、13日には天皇皇后両陛下がオランダ・ベルギー公式訪問へとご出発。これに先立って11日に皇居・宮殿で行われた陛下の会見では、ご訪問の抱負と共に皇族数確保の議論についても質問がなされた。
「記者会から『議論の受け止め』について問われた陛下は、『制度に関わる事項については私から言及することは控えたい』とされながらも、『皇室のあり方や活動の基本は国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすること』だと前置きされ、続けて、『こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります』と、お気持ちを述べられたのです」(宮内庁担当記者)
この数時間前、宮内庁の黒田武一郎長官は定例会見で、取りまとめられた総意を陛下に報告したことを明かしつつ、「国民の理解や納得を得られるものとなるよう願われているのではないかと拝察している」と述べていた。その通りのお言葉が、ほどなく陛下ご自身によって発せられたのである。
「たまたま同じ日となりましたが、このフレーズを重ねられたことには陛下の強いご意思を感じます」
とは、さる宮内庁関係者である。
「長官といえども、自ら拝察した陛下のご様子を勝手に述べることはできません。事前に陛下のご承諾が不可欠で、また数時間後に述べられる内容を、陛下はあえて長官の口を借りて事前にアナウンスなさった。それだけお伝えになりたい内容だったということです」
これまで陛下は、皇室制度に関する質問には憲法上の制約から「言及を控える」とだけ述べられるのが常だった。それは2025年のお誕生日会見や、24年の英国ご訪問時の会見でも繰り返されてきたのだが、
「今回は大きく踏み込まれ、くれぐれも『国民の総意』にそぐわないような案にはしないでほしいと、国会や政府に対して念を押された格好です。つまり、現在進行している案が、多くの国民の理解を得られているとはいえない状況を、陛下は十全に把握なさっているわけです」(同)
実際に、5月下旬に毎日新聞が実施した世論調査では、前述の(1)案を支持する人が63%であるのに、(2)案は36%にとどまっている。
「とりわけ養子案は『国論を二分』するどころか、多くの国民がなお懐疑的に捉えているといえます。宮内庁内でも“一体どうなるのか”といった声が上がるくらいで、皇族方の中でもコンセンサスを得られているとは言い難い。陛下はかねて、喫緊の課題であるはずの『安定的な皇位継承に関する議論』を棚上げし、目先の皇族数確保策のみを急いで成立させようとする国会や政府の姿勢を懸念されていました。事ここに至り、憲法に抵触しないぎりぎりの表現で警鐘を鳴らされたのです」(同)
「陛下は少なからず違和感を……」
17年6月に成立した上皇さまの退位に関する特例法では、「女性宮家の創設」等についても、速やかに検討するよう政府に求める付帯決議がなされていた。にもかかわらず、現在に至るまで議論は始まっていない。
「陛下が上皇さまと共有され、受け継がれた案が立ち消えてしまい、代わりにどなたも望んでおられなかった養子案が再浮上、成立しそうな見通しです。こうした状況に、陛下は少なからず違和感を覚えられていることと拝察いたします」(前出の宮内庁関係者)
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