とうとう逃げ続けていたぶら下がり取材に応じた 中傷動画問題で一見大ピンチな高市首相が「逃げ切れる」と余裕の構えを見せているワケ
高市早苗首相はこのまま疑惑を乗り切れるのか。野党は中傷動画の作成を依頼したとされる公設第一秘書を参考人招致するよう要求。マスコミ側も共同通信が週刊文春の「後追い」を始めるなど攻勢を強める一方だ。だが、高市氏周辺は「国会が閉じるまであと1カ月粘れば大丈夫」と余裕の構えを見せているという。この「温度差」はいったい何なのかーー。
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事前に断っていたのに取材に応じた
「総理! 共同通信が中傷動画について男性の証言を報じましたが」
6月8日夕刻、首相官邸を出ていこうとする高市氏に向かって、待ち構えていた記者団が声をかけた。当初、ニコニコと笑いながら通り過ぎようとしていた高市氏だったが、「はい?」と立ち止まり、カメラの前に歩み出た。
そして、自信に満ちた表情でこう語った。
「私はこれまで答弁してきました。それは揺るぎません。総裁選で他の候補者を誹謗中傷したりすることは私の流儀ではありませんので、それはやっておりません」
「衆議院選挙につきましても、過去30年以上衆議院選挙をやっておりますけど、これまでの選挙で対立候補の批判をしたり、中傷したりは一切やっておりません。私の事務所もそういうことをすることはございませんし、ましてやそれを第三者に依頼をすることは決してございません」
実はこの日のぶらさがり取材は内閣記者会が事前に申請していたが、断られていた。ダメ元で記者が呼びかけたところ高市氏が応じたのである。これまで取材からずっと逃げ続けてきた高市氏はなぜ態度を変えたのか。
「テレビカメラの回っている中で逃げたと思われるのが嫌だったのでしょう」(政治部記者)
決定打に欠ける疑惑
国会では野党が激しい追及が続けており、参院予算委員会で秘書を参考人招致するよう与党に求めている。先週、週刊文春が、中傷動画を作成したIT会社代表の男性と高市氏の公設第一秘書が参加したとされるzoom会議の音声を公開したことで、5月11日に高市氏が国会で「私も秘書も面識がない」と答弁した内容と矛盾が生じたからだ。
だが、意外にも首相周辺に危機感はないという。
「国会閉会まであと1カ月逃げ切れば終わりと見ています。参考人招致は強制力がないので、のらりくらりと突っぱね続ける予定です」(同)
なぜそんな余裕で構えられるのか。理由の一つは、男性と秘書が過去にやり取りしていた証拠こそ出たものの、「誹謗中傷動画の作成を直接依頼した証拠」はいまだ何一つ出てきていないからだ。
「疑惑が強まってきたことは間違いないですが、今のところ決定打に欠けています。そもそも事務所が中傷動画の作成を依頼していたとしても、自民党内部の選挙である総裁選に公選法は適用されないし、衆院選で行ったとされる誹謗中傷も虚偽事項公表罪に抵触するものでもない」(政治部記者)
とはいえ、「面識がない」と“ウソ”をついたことはどう考えても問題であろう。だが、これもそこまでの痛手になっていないというのだ。そう考える根拠は高止まりしている「支持率」である。
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