「ドラゴンボール」1巻の初版本が“100万円超”で売れる異常事態…“発行部数が少ない”だけではない初版本が人気を誇る“なるほど”な理由
1巻はファンにとって特別なもの
漫画の初版本のなかでも、1巻は特別な存在だ。漫画家が表紙を、特に気合いを入れて描くことが多いため、その作品のシンボルとなることが多いのである。『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』は、作品のイメージを具現化している。昨今のヒット作では『【推しの子】』が秀逸である。主人公・星野アイを描いた絵は作画担当の横槍メンゴ氏の畢生の傑作といえ、書店でも一際目を引く存在だ。
1巻の初版本は、基本的に発行部数が抑えられることが多く、後でアニメ化された際に一気に重版される。つまり、流通数が最初から少なく、希少価値が高いのである。ビジュアル的にも素晴らしく、数自体が少ないのだから、プレミアがつく要素はもともと多かったといえる。
そんな1巻の初版本をここまで高騰させたのは、国内以上に海外のコレクターである。外国人には、日本の漫画本がとても魅力的に映るらしい。というのも、海外の書籍と比べると、日本の単行本は装丁がしっかりしていて、デザインが凝っているためだ。日本の漫画の翻訳本を見ればわかるが、カバーがないことも珍しくなく、全体的に簡素な作りである。
それに、ファンであれば“原書”を手にしたくなるものだし、そのなかでもより特別で、他の人に差をつけられるようなものを所有したいと欲する。これは、ファンならば自然な感情ではないだろうか。こうした複合的な事情が、1巻の初版本を高騰させている要因になっていると考えられる。
海外のコレクターが目を付けた
ここまでであれば純粋にファンだけの楽しみといえるのかもしれないが、昨今の高騰ぶりは異常である。これは、外国人を中心に、漫画本が一種の投機対象として目をつけられるようになった要素が大きい。そして、日本の漫画が、世界的な人気を集めていることが背景にある。
高騰が始まったのは、2026(令和8)年になってからのことだ。現在、漫画市場では、紙の本の売り上げを電子書籍が上回っているが、そんな時代だからこそ紙の魅力が再確認されつつあり、所有欲を満たす単行本に注目が集まった。
さらに、ポケモンカードやアンティークコインのように、状態をランク付けする第三者の鑑定機関が生まれたことも大きな要因だろう。単に品物を入手するだけでは飽き足らず、より状態が良い、グレードの高いものを求める風潮が生まれている。その鑑定機関が作ったクリアケースに入れて、美術品のように飾るのが定番と化しつつある。
何より、そうした品物を持っていることをインフルエンサーが自慢したことで、投機熱に拍車がかかったと見ていい。外国人のインフルエンサーには漫画本のコレクターが増加中であり、Instagramなどではコレクションを披露する人をたくさん確認できる。
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