「老後に備えて“オタ卒”するべき?」52歳アイドルファン女性にFPは「むしろ一生推せ」と助言――“貯金ゼロ・もうすぐ定年”に必要だった意外なものとは

ライフ

  • ブックマーク

FPの助言:「老後は年金と貯金だけ」の思いこみを捨てよ

 多くのFPならここで「推し活の予算を月いくらと制限して、残りを積み立てましょう」と答えるだろう。だが、山口さんの答えは、まるで違った。

「老後収入は年金だけ、足りない分を若いころからの貯蓄や投資で補わなくては……、そんなマインドセットをまず解きましょう! 老後も長く働き続ける、そんな気持ちを持ってみませんか? そうすれば、今の生活をもっと楽しめて、老後も充実したものになるはず。私の両親は92歳まで現役でガソリンスタンドで働いていましたよ。とくに真弓さんはずっと会社勤めですから、年金もそれなりにもらえるはず。働きながら年金を受け取る場合、収入によっては厚生年金の一部が調整されることもありますが、『働く』という可能性があるだけで、推し活も続けやすくなります。 住まいも、実家に住み続ける、あるいは売って地方に住み替えるという選択肢もあります。推し活、存分に楽しんで!」

 老後に備える最大の“資産”として山口さんが挙げるのは、意外にも「筋肉」だ。

「推し活人生を続けるには、長く働かなくてはなりません。となると、必要になるのは健康な体です。定期健診やがん検診をきちんと受けて、病気の早期発見、早期治療を心がけましょう。それから、健康体であっても80歳を過ぎると膝と腰が悲鳴を上げますから、今から少しずつ鍛えておくことも大切です。日々、エスカレーターではなく階段を使う。1駅ぶん歩いてみる。そうやって、“貯金”ならぬ“貯筋”をするんです」

 また、老後で重要になるのが「人的資産」だと山口さんは強調する。一人暮らしになって動けなくなったとき、誰かがふらっと様子を見に来てくれる関係があるかどうか。ゴミ出しや買い物を手伝ってくれる親族やご近所がいるかどうか。

「お金があれば人を雇える、と思うかもしれません。でも、そこに付随する人間関係が人生の質を変えるんです。私の義母が体調を崩したときも、お隣さんが『大丈夫?』と茹で卵を届けてくれたり、姪がパンを持ってきて『すぐ元気になるからね』と励ましてくれたりした。その人間関係が、どんな高額サービスよりも回復の力になったといいます」

 推し活は、生きがいであり、健康の源であり、人とのつながりを生む。推し活は健康寿命を延ばすためになるべく続けるのがおすすめ、というわけだ。

次ページ:それでも「数字」が気になる人への処方箋

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。