着々と進む3度目の「都構想」住民投票に「大阪市民」の本音は? 吉村知事の“変心”は「歴史の名を残すつもりになったのか」

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 いまや政府与党の一角を占める日本維新の会の代表でもある吉村洋文・大阪府知事(50)が、3度目となる「大阪都構想」の住民投票を行おうとしている。大阪維新の会の初代代表・橋下徹氏が住民投票で是非を問うも否決され、2代目代表・松井一郎氏も否決され、いずれも政界を去った。果たして、3度目の正直となるか、2度あることは3度……となるのか。

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 大阪市議会は5月27日、都構想の制度案を作る法定協議会の設置議案を可決した。同様の法案は府議会でも可決されるとみられている。「橋下徹 改革者か壊し屋か――大阪都構想のゆくえ」(中公新書)などの著作があるジャーナリストの吉富有治氏に聞いた。

「議会プロセス上は問題なく可決され、区割りや財源の移転割合、特別区の議員定数などの設計が詰められていくのでしょう。なにより、市議会も府議会も維新が過半数を掌握していますから、たとえ審議を経て作られる法廷協議書の内容がスカスカであったりボロボロであったりしても、数の力で押し通すことは可能です」(吉富氏)

 住民投票は来年春の統一地方選(大阪府知事選、府議選、市議選)との同日実施を目指すと言われている。大阪市民はどう思っているのだろう。

「すでに都構想に飽き飽きしている可能性があります。2015年に最初の住民投票が行われるも否決され、20年の2度目の住民投票も否決されました。いずれも僅差での否決とはいえ、最初の頃の熱気は薄れています。2度目の時でさえ『またか……』という気持ちがあったと思いますが、3度目ともなれば“うんざり”でしょう。今のままで何が悪いのか、という声もあります」(吉富氏)

 そのためなのか、投票を大阪市民だけでなく大阪府民にまで広げようとしているという報道もある。

憲法違反のおそれも

「大阪府全体にまで広げれば、吉村人気の票も望めますからね。もっとも“大阪市の解体が府全体に影響する以上、府民にも投票権を与えるべき”といった維新の主張には無理がある。その理屈が通るなら、極端な話、神戸市や京都市といった隣接都市だって投票権が及びかねません。例えるなら、自分の家に生えている松の木を切ろうとしたら、町の景観に影響するからと、町内会で決められてしまうようなものです。都構想の核心は“大阪市の廃止”と“特別区の設置”ですから、直接の当事者は大阪市民です。憲法92条には“地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める”とあります。つまり、自分のことは自分で決めるという趣旨です。メリット・デメリットを直接受ける大阪市民こそが投票主体であり、府民全体への拡張は憲法違反の可能性すら考えられます」(吉富氏)

 吉村知事はなぜそこまでして、3度目となる都構想に挑むのだろう。そもそも「僕が都構想に挑戦することはない」と語っていたはずだが。

「2度目の住民投票が否決された後に言っていましたね。それが直接民主主義で示された民意なのですから、当然と言っていい。ちなみに、吉村さんは23年の府知事選で2期目の再選を果たし、来年までの任期を全うしたところで政界を引退するのだろうと私はみていました。弁護士に戻るもよし、橋下さんのように気楽にコメンテーターを務めたっていい。テレビからは引っ張りだこでしょう。ところが、どこで気が変わったのか、国政に進む意向を示し始めました」(吉富氏)

 昨年10月からは自民党と連立を組む政権与党・日本維新の会の代表である。

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