キミは「半年ROMってろ」「ggrks」と書かれて震え上がったことはあるか? 誰もが「2ちゃん用語」でイキっていた時代をふりかえる
かつてネットの空気感を生み出す重要な場所は2ちゃんねる(現5ちゃんねる、以下「2ch」と表記)だった。ここから数多のネット流行語やネットミームが誕生し、2000年代前半のネットカルチャーを牽引した。「よく見るサイトは何ですか?」なんて聞くと「2chのまとめサイトです(キリッ」なんて言われることすらあった。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】
【画像】モナー、鳩山由紀夫…2ch文化が生み出したアスキーアート
もはや死語の2ch用語
2chユーザーが使う言葉や独特のAA(アスキーアート)は、門外漢には若干とっつきづらい点があった。書き込みをするにも素人扱いされるのでは……、場違いなことを書いてしまうのでは……といった逡巡があったのである。「orz」「今北産業」「ggrks」「半年ROMってろ」「オマエモナー」「コテハン」「素人はsageを使う」など、現代の若者にとっては意味不明だろう。
そうしたワードはもはや、後期高齢者が使う「あたり前田のクラッカー」や「合点承知の助」「外套」「アベック」「やり貝」のような「死語」にすらなっている。
とはいっても、2chが2000年代のネット文化の牽引者であることは間違いない。何しろ2009年の「ネット流行語大賞」の金賞は2chに端を発した「※ただしイケメンに限る」なのだから。
この言葉は、何か失敗をしても絶賛されるのが「イケメン」に限定されることを卑屈に表したフツメン・ブサメンによる自虐の言葉だ。要するに、イケメンとフツメン・ブサメンの間には明確なヒエラルキーがあるということだ。電車の中で高齢者に席を譲ってもブサイクであれば「まぁ、人として当たり前だよね」となるが、イケメンであれば「キャー素敵、さすがイケメン!」となる、といった話だ。
「自分たちの文化」を守る
かつては企業の人と話していても「2chにこんなこと書かれてしまっているんですよ」と嘆くことが多かったが、もはやそんな話は聞かない。現在は「Xで無駄にバズってしまい、問い合わせが多数来てるんですよ……」である。2ch用語や人気のAA(アスキーアート)は頻繁にネット内で使われたが、もはやその姿を見ることは珍しくなっている。
2005年、2chの人気AAネコキャラ「モナー」をオマージュしたと見られる「のまネコ」をエイベックスが「恋のマイアヒ」という歌のPVに使用し、2chユーザーが「我々が作り上げたキャラを安易に使うな」と一斉に反発する事態になった。それだけ当時のインターネット(特に2ch)は、「自分たちの文化」を守る傾向にあった。それは、頑なにリアル世界との接触を断るかのようですらあった。
2ch発の恋愛ストーリー『電車男』については、それを基にしたコンテンツの製作者が2chユーザーの作り上げた経緯を尊重するなどの対応を見せたため、連ドラ・映画ともに好意的に見られたと感じている。「オレ達の文化がこうしてメインカルチャーに波及したんだなァ…」という感慨もあったことだろう。
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