「AI依存でIQが衰退する」…『スマホ脳』著者が“AI時代”に指摘する衝撃の事実
『スマホ脳』の大ヒットから5年。そのスマホをも超える驚異的なテクノロジーの出現に対し、著者のアンデシュ・ハンセン医師は「AI依存によって人間のIQは100年前に逆戻りする」と指摘。AIを手放すことができなくなった私たちに、今何が起こっているのか。【聞き手・文/湯浅大輝(フリージャーナリスト)】
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テクノロジーは人間の脳を「ハック」する
『スマホ脳』が日本でベストセラーになったのが2021年。それから5年経ちましたが、今度はスマホを超える、驚異的なテクノロジーが出現しました。
AI。それは人々の想像を超えた、信じられないほど強力なテクノロジーです。精神科医の私はもちろん、大規模言語モデル(LLM)の開発者自身も、その賢さと進化のスピードに驚いています。
AIはありとあらゆる分野で、人間より優れた知能を持つ存在になりつつあります。Grokを開発するイーロン・マスク氏や、ノーベル化学賞を受賞したGoogle DeepMindのデミス・ハサビスCEOは、期間は問わず「AIは将来、人間よりも高い知能を持つことになる」と予測しています。
これは考えてみれば驚くべきことです。なぜなら、私たち人間、つまりホモ・サピエンスが、もはや地球上でもっとも賢い種ではなくなることを意味するのですから。
AIの出現は、テクノロジー史という文脈においても画期的だと言えます。活版印刷やインターネットの登場は人間の仕事・生活のあり方を革新しましたが、これらのテクノロジーは人間が支配・活用する「ツール」という色彩が強い技術でした。
ところがAIは、単なるツールではありません。自ら意思決定を行い、プロンプトを入力すると物事を独自に創造できる存在です。人類はAIの発展とともに、仕事・社会生活・教育・人間関係の構築といった分野で、根本的な変化に直面せざるを得ないでしょう。
『スマホ脳』『メンタル脳』『ストレス脳』(いずれも新潮新書)などの一連の私の著作をお読みになっていただけた方はお分かりだと思いますが、私の研究の主要なモチーフは「現代社会に広く行き渡っているテクノロジーが、狩猟採集時代から変わっていない人間の脳の仕組みをいかにハックし、依存させているか」というものです。
街を歩けば人々はスマホと睨めっこしている、電車の中でスマホに熱中しすぎて到着駅を過ぎてしまう、10歳の子どもがスクリーンに8時間以上も釘付けになる、SNSでの終わらないレスバトル──。
スマホをはじめとしたテクノロジーには強い依存性があり、人々の生活のあり方、認知の方法に歪みが出てくるのに、なぜ依存を断つことが難しいのか。脳の仕組みにその答えがある、というのが私の主張です。
まず、AIがいかに人々を依存させうるか、そしてなぜAI依存がスマホ依存以上の危険性を持っているのか、分析してみましょう。
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