「AI依存でIQが衰退する」…『スマホ脳』著者が“AI時代”に指摘する衝撃の事実

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AI依存でIQが100年前に逆戻りする

 現代社会は高度な文明社会です。満腹を維持できる飽食社会、誰とでもどこでもオンラインでつながる通信システム、移動時間を大幅に短縮できる交通手段──。先人たちの努力の結果、私たちは驚くほど便利で豊かな生活を手に入れました。

 高度な文明を手に入れた私たちは、昔の人類よりはるかに「賢く」なっています。代表例として、人類のIQ(知能指数)向上を示した「フリン効果」が挙げられます。

 過去100年間で、人間はIQを30ポイントも伸ばしたというもので、たとえば今の人類の平均であるIQ100の人が、仮に100年前のIQテストを受けた場合、IQは130程度(現在の人口の上位約3%)になるということを意味します。逆に、100年前のIQテストで100だった人は、今では70程度になるでしょう。70は、現在では知的障害との境界だと言われています。

 なぜ私たちはこれほど賢くなれたのでしょう。ひとつには教育を受ける期間が長くなったことが関係しています。脳は可塑性といって、勉強を重ねれば変化し、より正確な答えを導き出せる能力があるとわかってきています。

 ところが、AIは私たち自身が勉強せずとも、答えを与えてくれます。人間の知識がなくても、質問さえすれば、AIが回答を出してくれるのです。「理解できなかったらAIに聞く」という状態が続くと、人間は徐々に基礎的な勉強をしなくなると容易に想像できます。

 人間が学習しなくなると、この先どうなるのでしょうか? この問いはまだ誰も証明していない、未知の領域です。人間がAI依存を続けると、IQが100年前に逆戻りするかもしれません。これが良いか悪いかは、各自の立場によって変わるでしょう。ただ「脳は使わなければ衰える」という事実だけは、最低限認識すべきだと思います。

湯浅大輝(ゆあさ だいき)
フリージャーナリスト。同志社大学在学中に米アリゾナ州立大学へ交換留学。卒業後、記者としてのキャリアを開始し、経済メディア、小売専門誌を経て独立。教育、小売、海外スタートアップ、国際情勢、インフラなど多様なテーマを取材・執筆している。過去携わった書籍に『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)、主な特集記事に「出生数75.8万人の衝撃」「奈良のシカ」(ともにJBpress)、「リニア 20世紀最後の巨大プロジェクト」(NewsPicks)、「精肉MDの新常識」(ダイヤモンド・チェーンストア誌)など。

デイリー新潮編集部

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