犬猫の死骸の山と風呂場生活を送っていた愛護団体代表 逮捕1週間前に「一頭でも預かって」とLINEが…里親が見た異変

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「助けたい一心」“アニマルホーダー”という病理

 報道によれば、丸ノ内容疑者は犬猫のために部屋を明け渡し、自身は風呂場で生活していたという。この状況は単なる“善意の暴走”だけでは説明しきれない、と指摘するのは、

 精神疾患や依存症治療に詳しく、長年アニマルセラピー研究にも携わってきた東京・世田谷「あいわクリニック」の横山章光医師だ。

「この事件は、典型的なアニマルホーダーによるケースといえます。他の部屋を動物に明け渡し、自分は風呂場で暮らしていたという時点で、通常の判断能力から大きく逸脱しています」

 アニマルホーダーとは、飼育能力を超えて犬猫を抱え込み、適切な世話ができなくなっても手放せなくなる人を指す。本人には「保護している」「助けている」という強い使命感がある一方、客観的には虐待状態に陥っていても、その異常性を認識できないケースが少なくない。背景には孤立、承認欲求、発達特性、知的障害、強迫傾向など複数の要因が絡むとされ、2013年には米精神医学会の診断基準「DSM-5」に“ため込み症(ホーディング)”が追加された。近年、日本でも社会問題化している。

 アニマルホーダーの根深い問題は、逮捕だけでは終わらない点にある。

「刑事処分だけでは根本的な解決になりません。本人が“自分は悪いことをしている”という認識を持てないまま、出所後に同じことを繰り返すケースもある。叶うことならば、容疑者の生い立ちや家庭環境も含めて丁寧に聞き取り、現在の知能や認知能力の検査なども実施した上で、継続的な診察と治療につなげたい。すべてのアニマルホーダーは、福祉や医療につなげる必要があると強く感じます」(横山医師)

 前出の女性も丸ノ内容疑者の身を案じる。

「以前の彼女と変わってしまったのでは。はじめからあんな人ではなかったと思います。犬猫がどんどん増えて大変なことになって、それを見たくなくてお風呂場で過ごしていたのかもしれない。逮捕後、残された犬猫はどうなったのでしょうか。1匹しか救えなかったと思うと胸が痛みます。もっと早く“助けて!”と声を発してほしかった」

 動物愛護の現場では近年、行政の引き取り制限強化などを背景に、民間の保護団体に負担が集中している。SNSを通じて個人でも“保護活動家”として発信できる時代になった一方、十分な資金、人員、医療体制を持たないまま活動規模だけが膨張するケースも少なくない。

「アニマルホーダーも、個人の献身に頼りすぎる保護活動も、もっと社会全体で考えなければならない問題。どこかでだれかが介入できていたら、この悲劇は生まれなかったかもしれない。このままだと何度も同じことが繰り返されると思いますよ」(横山医師)

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