「リブゴルフ」消滅危機は“対岸の火事”にあらず…対抗心を燃やし続けたPGAツアー、来季の“大改革”は吉か凶か

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シグネチャー・イベントを軸に再編成

 しかし、PGAツアーの資産はみるみる減っていき、いつかは底をつくのではないかと不安視する声も聞かれていた。

 だが、幸運にも、米コンソーシアムのSSG(ストラテジック・スポーツ・グループ)とパートナーシップ契約を結ぶことができた。すでに15億ドルが投入され、最大30億ドルの投資も約束されて、営利法人のPGAツアー・エンタープライズが誕生した。

 そして、営利法人として一層の効率化を図ることが求められるようになったPGAツアーは、そのために2027年シーズンからの大改革に着手し、現在進行中というわけだ。

 現行の年間8試合のシグネチャー・イベントは、各大会の賞金総額が2000万ドルに設定されているが、基本的にそのお金は、PGAツアーが各大会のタイトル・スポンサーに負担を求めている。しかし、米スポーツ・イラストレイテッドによると、8試合のうち3試合のタイトル・スポンサーは、2000万ドルに満たない金額しか拠出できていないという。

 となれば、今後は、賞金総額を満たせるタイトル・スポンサーを募り、その大会をシグネチャー・イベントとして維持したり、格上げしたりといった再編成が必要となる。それと同時に、トッププレーヤーが出場する試合数を現行の年間34試合から21~26試合に減らし、その試合数に対してより多くのお金を効率的に注ぎ込むことも求められる。

選手たちが納得し得る改革なのか

 そのため、2部構造を作り出し、その上部には「more money, less tournament」、下部には、試合数は未定だが「less money」を適用するという大改革案が検討されているようである。

 ローラップCEOをはじめとするPGAツアーの上層部は、こうすることでツアー全体が「より一層、盛り上がる」「活性化される」「効率化が図れる」と考えている様子である。しかし、この改革案が、出資者であり、パートナーでもあるSSGを納得させられる事業計画であるかどうかは、今はまだわからない。

 PGAツアーは、リブゴルフがPIFから見限られたことを反面教師として、SSGを頷かせるツアー運営と経営を行っていくことが求められる。

 ローラップCEOは、目先の利益ではなく、長い目で将来を見据えていると語ったが、果たしてこの大改革は、長期的に見てPGAツアーを大きく向上させることができるのかどうか。

 いやいや、それ以前に、選手たちが納得し得る内容なのかどうかが、なんとも気になって仕方がない。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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