「リブゴルフ」消滅危機は“対岸の火事”にあらず…対抗心を燃やし続けたPGAツアー、来季の“大改革”は吉か凶か

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選手流出の阻止に必死だったころ

 かつて、リブゴルフと激しく敵対していたころのPGAツアーは、選手たちに潤沢なオイルマネーを注ぎ込むリブゴルフに対抗するために、賞金を引き上げたり、新たなボーナス制度を創設したりと四苦八苦していた。

 その代表例が、PIP(プレーヤー・インパクト・プログラム)なるボーナス制度だった。これは、選手の人気度や露出度などを数値化してランク付けし、ボーナスを支給するというもので、「ゴルフの成績とは関係ないものに対する高額のボーナスはおかしい」「人気投票ならタイガー・ウッズが1位に決まっている」等々、最初から批判が殺到していた。

 しかし、リブゴルフが2021年に創設されたタイミングに合わせてPIPを考案したPGAツアーは、リブゴルフが試合を開始する2022年を待たずして、早々にそれをスタートさせた。

 その様子は、PGAツアーが自身のスター選手をリブゴルフに奪われないよう、ただただ必死だったことを如実に物語っていた。

リブ創設でPGAツアー賞金は高額に

 いわばPIPは、PGAツアーが「目には目を」「マネーにはマネーを」という強硬姿勢に出たことの産物である。選手に支払ったPIPのボーナス額は、初年度の2021年が4000万ドル、2022年と2023年は各々1億ドル、2024年は5000万ドルとなった。

 この4年間に支払った合計2億9000万ドルは、PGAツアーが一方的に選手に支払ったお金にすぎず、そこから生み出された直接的な利益はゼロだった。

 しかし、PGAツアーの資産には当然ながら限りがあるわけで、貴重なお金は単に有名な選手ではなく、実際に試合を盛り上げるトッププレーヤーに対して効率的に使うべきだという声が上がった。

 そこで考案されたのが、1試合の賞金総額を高額の2000万ドルに設定するシグネチャー・イベントを創設し、プレーヤーズ選手権は2500万ドル大会へ、シーズンエンドのプレーオフ・シリーズは予選カット無しの2000万ドル大会へ、最終戦のツアー選手権は5000万ドル大会にするという新たな体制だった。

 この案は即採用・実施されたため、PGAツアーのトッププレーヤーたちは、リブゴルフが創設されたおかげで、未曾有の高額賞金を稼ぐことができるようになった。

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