「イタリア代表が出ないW杯は寂しすぎる!」 誇り高きファンタジスタの“伝説的プレー”を往年のサッカーファンが万感の思いを込めて振り返る

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イタリア代表のスターたち

 さて、こうした前提があったうえで、イタリアである。私自身はイタリア代表がいないワールドカップは寂しくて仕方がない。1994年のアメリカ大会以来ずっと見続けているが、とにかく2014年までのイタリア代表が魅力的過ぎたのだ。このチームがいるからこそ、ワールドカップの盛り上がりが10%は向上した、と勝手に思っている。それぞれを振り返る。

1994(アメリカ):前回大会(1990)で開催国だったが、惜しくも3位に。ただ、スキラッチが大会得点王になったほか、バレージを中心とした守備の強さは評判だった。そんなイタリア代表は1994年にはバレージが円熟味を増し、マルディーニとGKパリュウカと共に鉄壁のディフェンスを誇る。そこに最盛期を迎えたロベルト・バッジョが攻撃陣の中心となり、決勝でのブラジルとのPK戦にまでもつれる死闘を演じ、準優勝に。

1998(フランス):これ以上のディフェンス陣は世界にいないだろ! というマルディーニ、カンナバーロ、コスタクルタ、ネスタを擁し、攻撃陣には31歳となったバッジョはサプライズ選出されたうえに、新たなタレントが登場した。「重戦車」と呼ばれたヴィエリと、その後長きにわたってイタリアFW陣を牽引するデル・ピエロの登場である。結果はベスト8。

2002(日韓):これは前述の通り、疑惑の判定があったが、なんと綺羅星のごとく才能がこの年は揃ったことか! 攻撃陣ではトッティ、フィリッポ・インザーギが活躍。中盤のダイナモ的存在として、ガットゥーゾが輝きを放った。中盤で相手の攻撃を潰す役としては、フランスのマケレレやヴィエイラ、ブラジルのドゥンガ的な存在となった。そして、これが次に続く。

2006(ドイツ):攻撃陣の主力として、ピルロとジラルディーノが登場。決勝のフランス戦では、策士的なDFマテラッツィが、フランスのエース・ジダンを苛立たせ頭突きを誘発させた。この行為がレッドカードを出させるしたたかさを見せ、PK戦の末見事優勝。カテナチオの中心、カンナバーロがトロフィーを掲げる姿を思い出す。

イタリアが出た方が…

 2010年(南アフリカ)と2014年(ブラジル)は一次リーグ敗退となったが、ピルロが健在だったのに加え、バロテッリという新星も現れ、観戦するのが楽しいチームだった。だが、そこから3大会連続欧州予選敗退。今回も、「なんでこの国が出ているのにイタリアが出ていないんだ……」とビミョーな気持ちになるオールドファンも多いのでは。そう考えると、今大会のヨーロッパ枠は前回カタール大会の13枠から16枠に増えたが、アジアは4.5枠から大幅に増えた8.5枠。

 どう考えてもヨーロッパの方がレベルが高いのに、この状況はイタリア人ならずとも世界のサッカーファンにとって複雑な気持ちになるのでは。いや、本来の32ヶ国でいいでしょうよ……。なんで今回48ヶ国も出場するのか。イタリアが出た方が盛り上がるのに、と、オールドファンはつい思ってしまうのである。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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