「イタリア代表が出ないW杯は寂しすぎる!」 誇り高きファンタジスタの“伝説的プレー”を往年のサッカーファンが万感の思いを込めて振り返る
なんということだ……。いよいよ6月に開幕するFIFAワールドカップ北中米大会。4年に一度しか開催されない世界最大のサッカーの祭典に、あのイタリア代表が出場しないのである。しかもこれで、3大会連続の不出場だ。アズーリ、ファンタジスタ、カテナチオ――こんな言葉とともに、その誇り高さと華やかさと鉄壁の守備がサッカーファンからこよなく愛されてきたイタリア代表チームが、今回も見られないのだ。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】
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サッカー強豪国
イタリアは、2014年のブラジル大会以来、12年間出場していないことになるわけで、若い方はイタリアの凄まじいまでの強さをリアルタイムで見ていないのだ。だが、中高年のサッカーファンにとってイタリア代表は常に強かったという印象があるだろう。そんな彼らを3大会連続で見られないことに、そこはかとない寂寥感を覚えるのだ。だからこそ、ここでは1994~2014年の、イタリア代表の圧倒的強さについて振り返る。
その前に、なぜここで日本人の私がイタリア代表について言及するかについて説明しておきたい。サッカーファンの多くは自国を除き、いわゆる「サッカー強豪国」が大好きなのだ。彼らのサッカーは、そのプレーの美しさ、発想の素晴らしさで見る者を圧倒し、魅了する。ファンからすると、ワールドカップの場で彼らのプレーを心ゆくまで楽しみたい。だから、常に強くあってほしいと願ってしまう。
ちなみに強豪国とは、イングランド、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、ブラジル、アルゼンチンであり、こうした国々が決勝トーナメントに残っていれば、サッカーファンはワクワクしてしまう。
これらに準ずる国として、ドイツ、ポルトガル、旧ユーゴスラビア(強豪国ではセルビア・クロアチア・スロベニア)、チェコ、ベルギー、メキシコ、ウルグアイ、チリ、コロンビア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、カメルーン、ナイジェリアが入る。
疑惑の判定
もちろん、ワールドカップの魅力はそれだけではない。1994年に行われたアメリカ大会でのサウジアラビアの躍進や、韓国がドイツを相手に、0-3と点差をつけられてから、洪明甫のゴールなどで1点差まで追いついたことは、称賛された。しかし、私自身が強く記憶しているのが2002年の日韓大会で海外の人々が見せた落胆だ。
決勝トーナメントでは、韓国が一回戦でイタリアに、二回戦でスペインに勝利。これらの試合では「疑惑の判定」が相次ぎ、世界中のサッカーファンから審判と韓国に対してブーイングが起きた。
それでも結果的に韓国は準決勝に進出したが、世界のサッカーファンは落胆を隠せなかった。「なんだ、このワールドカップは!」と。
当時、私は「ワールドカップを見るのなら世界中の人間が集まる場所がより面白いのでは」と、タイ・バンコクのカオサンロードのスポーツバーで毎日試合を見ていた。韓国の連勝と、準々決勝の一つがセネガルvsトルコとなった時に各国の人々は明らかに落胆していた。「なんでイタリアとスペインが韓国に負け、フランスが予選敗退し、セネガルが準々決勝にいるんだ?」と。
彼らは、ただ、“疑惑の判定”に怒っているだけではない。「ワールドカップは、かくあってほしい」という勝手な欲求をサッカーファンは持っているのである。
準決勝ではドイツが韓国に、ブラジルがトルコに勝ったが、決勝がドイツvsブラジルとなった時の英字新聞の見出しがそれを端的に表している。ドイツはすでに韓国を下していたが、ブラジルがトルコに勝った翌日である。
「ありがとう、ドイツとブラジル! やっとワールドカップを普段の姿に戻してくれたね」
当然これは記事を書いた記者の意見ではあるものの、同様の感慨を持った人もかなりいたのではなかろうか。仮に決勝戦がトルコvs韓国となっていた場合、勝手な言い草ながら
「納得できない決勝戦」という声が上がったかもしれない。
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