【栃木強盗殺人】“被害女性(69)をメッタ刺し”“飼い犬を殺害”でも「16歳の実行犯」に少年法の壁…「警察や検察は少年の供述を鵜呑みにはしない」との指摘も
無期懲役の判決も
「例えば『特定少年』の範囲を16歳まで拡げることで、さらなる厳罰化を実施するという議論が政治や法曹の世界で活発になるかと言えば、その可能性は低いと考えています。改正少年法が施行された2022年4月には、民法も改正されて成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。そのため16歳や17歳は“大人の入口”と見なされることもあります。しかし、その一方で16歳や17歳の少年が犯した殺人事件の捜査内容や判決を見ますと、やはり精神的に脆弱であったり、判断能力が未熟だったりするケースが目立つのも事実なのです」
少年法第51条が「死刑の緩和」を定めている以上、4人の少年に死刑が求刑されたり、死刑判決が下ったりする可能性はゼロだ。さらに裁判所が少年法の根本精神である「更生」を重視した場合は、無期拘禁刑ではなく有期拘禁刑の判決が下ったとしても不思議ではない。
無期拘禁刑の判例が皆無というわけではない。2013年に吉祥寺で発生した強盗殺人事件では、当時17歳だったルーマニア国籍の少年と、18歳だった日本国籍の少年が逮捕され、2人とも無期懲役の判決が確定した。
だが今回の事件には指示役が存在する。少年4人に強盗を行うよう命令したとして、栃木県警は横浜市港北区の無職・竹前海斗と妻である美結の両容疑者を強盗殺人容疑で逮捕している。
情状酌量の可能性
「捜査の結果、夫婦の指示に従わざるを得なかったという事実が明らかになれば、これは少年たちに対する情状酌量の対象になり得ます。他には少年たちの反省が考えられます。彼らが犯行に加担したことを心の底から悔やんでいると認められた場合、大人の被疑者が反省した場合よりも裁判所は重視するはずです。ただし警察や検察といった捜査機関には『引っ張り込みの危険』という戒めの言葉があります。共犯者がいる場合、被疑者は自分の罪を軽くしようと虚偽の供述を行い、相手に罪をなすりつけようとすることが多いので注意が必要だという意味です。県警や地検は少年たちの供述を鵜呑みにせず、具体的な裏付けがないか厳密な調べを積み重ね、真相解明を目指すはずです」(同・若狭弁護士)
指示役の竹前海斗と美結の両容疑者も強盗殺人の容疑で逮捕された。では、彼ら夫婦にはどんな量刑が下るのだろうか。
第2回【【栃木強盗殺人】実行犯ではない「指示役」夫婦に極刑は下せるか 「共謀共同正犯」が成立しても、減刑のカギを握る「さらなる指示役」の存在】では、若狭弁護士の徹底解説を詳しくお伝えする──。





