「史上最も腐敗した大統領」 証券取引が多すぎる「トランプ氏」に厳しい声…中間選挙に勝利なら米政治の分断が臨界点を超える

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大半の参加者は手ぶらで帰途に

 イランとの軍事的緊張が続く中、トランプ米大統領は5月13日から訪中したが、その成果は乏しかったというのが一般的な評価だ。

 トランプ氏は14日、中国が米ボーイング社から200機の航空機を購入すると述べたが、同社の株価は下落した。事前の想定だった500機を大きく下回ったからだ。

 ホワイトハウスは17日、中国が2028年までの3年間、毎年少なくとも170億ドル(約2兆7000億円)の米国産農産物を購入することに合意したと発表した。だが、米メディアは履行されるかどうかを疑問視するなど反応は冷ややかだ。

 トランプ氏が2017年に中国を訪問した際、同行した企業は総額2500億ドル相当の契約などを締結した。今回も電気自動車大手テスラのイーロン・マスク氏や半導体大手NVIDIAのジェンスン・ファン氏といった米国を代表する経営者らが同行したが、大半の参加者は手ぶらで帰途に就いた。

 経済の低迷が続く中国に大盤振る舞いを期待するのは無理だったのだ。

与党・共和党にダブルパンチ

 一方、同期間中に米国で話題を呼んだのはトランプ氏の証券取引量の多さだった。

 14日に米政府倫理局に提出された書類で、トランプ氏が今年第1四半期に3700件を超える取引を行っていることが明らかになった。政権と取引のある主要企業を対象としたもので、取引総額は数千万ドルに上る。

 政権復帰後のトランプ氏は事業運営を息子たちに委ね、第1次政権時よりも倫理的な問題を回避しようとしてきた。だが、今回の開示により、野党・民主党内でトランプ氏の利益相反への批判が再び高まった。

 同党のウォーレン上院議員が「ドナルド・トランプは史上最も腐敗した大統領」とSNSに投稿するなど、非難の声が相次いでいる。

 トランプ氏の私利私欲ぶりへの批判に加え、米国民の暮らしぶりの悪化も与党・共和党にとって痛手だ。

 4月の消費者物価指数(CPI)は前年に比べ3.8%上昇し、伸び率は2023年5月以来の大きさとなった。中東紛争が災いしてガソリン価格が3割値上がりしたことなどが主な要因だ。ガソリン価格が1ガロン=4ドル以上になると世論の反発を招くことが多いため、トランプ政権の担当者は価格抑制対策に頭を悩ませているが、即効薬が見当たらないのが現状だ。

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