「『愛子さま人気』で国の制度が左右されてはならない」 「愛子天皇」論者が根本的に誤解しているポイントとは

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2045年問題

 日本においては、現時点で皇位継承の在り方を決めるのは得策ではないという。

 再び八幡氏に聞くと、

「私は『2045年問題』と呼んでいますが、その頃には今上陛下は上皇さまが退位されたのと同じ85歳、悠仁さまは39歳になられています。悠仁さまは結婚されて男子、それとも女子が生まれているのか。また愛子さまと佳子さまがご結婚後に女性宮家として皇室に残られていれば、それぞれお子さんはどうなっているのか。また養子にふさわしい旧宮家の男子はいるのかなど、皇位継承者の見通しが確定する。その時の状況に応じて、現実的な選択肢を設定してから議論すべきです。近い将来にも皇位継承の前提が変わる恐れがある以上、今から全ての可能性について検討するのは、議論を複雑化させるだけで賢明なやり方ではありません」

 かような議論の核心を知らないならば、今国会で典範改正が実現したとしても「愛子天皇」を望む声は収まりそうもない。

 愛子さまはご公務の幅を年々広げられており、昨年のラオスに続き11月にも単身で外国を訪問されると報じられた。行先は日本との国交樹立60周年を迎えたシンガポール。国交樹立40周年の際は上皇ご夫妻が訪問されており、女性誌などでは“天皇の名代”を任されたとの見出しが躍る。

「国民が悠仁親王殿下のお人柄に触れる機会が増えれば……」

 元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏が言うには、

「シンガポールへのご訪問も含めて、国民が愛子内親王殿下のお人柄に触れる機会は増えていくでしょう。他方で悠仁親王殿下は、大学在学中のため学業優先です。今年1月の『歌会始の儀』に出席されるなど、宮中行事やご公務に臨まれることはあるでしょうが、まだ数年は国民が目にする機会は多くない。ご公務に限らず、オフショットも含めて、そのご様子をSNSなどで宮内庁は発信していくべきだと思います。国民が悠仁親王殿下のお人柄に触れる機会が増えれば、親近感も高まるでしょう」

 次世代を担う皇族方が末永く活躍されるため必要なことは何か。日本全体に突き付けられた問いである。

 前編では、「愛子天皇」を支持する論者に対する、専門家の見解を紹介している。

週刊新潮 2026年5月21日号掲載

特集「20年越し『皇室典範』見直しへ 『愛子天皇』大論争の核心」より

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