ナフサ不足で日本を待ち受ける「最悪のシナリオ」 ほぼ全業種で倒産が激増中… 「病院では注射を打てば打つほど赤字に」「塗装工事業の倒産は26%増」
訪中後のトランプ大統領と電話会談した旨を笑顔で語った高市早苗首相。日米の親密さをアピールしたが、先の見えないイラン情勢で原油やナフサの調達不安は増すばかり。対策を講ずべき高市政権が目を背ける、日本経済の深刻な危機を解き明かす。
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苦肉の策
スーパーやコンビニの棚に並ぶ商品から「色」が消えていく。そう聞いて、いよいよ不安を感じた人も多いのではないだろうか。
スナック菓子大手のカルビーは、主力商品であるポテトチップスなど14商品のパッケージの配色を、彩り豊かなカラーからモノクロへ変更すると発表した。
今月25日以降に出荷される分から店頭に並び、包装には〈石油原料節約パッケージ〉との表記が印刷される予定だという。
“現場が悪い”という姿勢
だがしかし、こうした企業の対応を巡り高市政権は助け舟を出せていない。
カルビーがパッケージ変更を発表した直後、食品行政を所管する農林水産省は同社にヒアリングを行った。その結果について、15日の閣議後にあった会見で問われた鈴木憲和農水相は、「各企業の経営判断に基づくもの」「中東情勢に伴う食料供給上の問題ではない」との見解を口にしたのだ。
原油やナフサなどの調達を担当する赤澤亮正経済産業相も、同日の会見で同様の説明を繰り返すのみだった。
「われわれが生活する経済の現場を見れば、本当にいろいろなことが起きている。国のトップがする発言と、あまりに乖離しています」
と指摘するのは、ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。
「注射を打てば打つほど赤字に」
実際に現場では何が起こっているのだろうか。
「町場のクリーニング店を取材すると、3月ごろから“まずい、まずい”という声が聞こえていました。クリーニング店では、仕上がった際にプラスチックのハンガーにかけてビニールに包んでくれますよね。こういったナフサ由来の製品が値上がりして大変だというのです」(鈴木氏)
これだけではない。命を守る医療現場でもナフサ不足の影響は深刻である。
「この4月から注射器が高くなり、1本1200~1500円と普段より1.2~1.5倍ほどの価格になっています。医療費は診療報酬で決まっているので、医療器具が値上がりしたからといって、患者さんから受け取る金額を上げるわけにはいかない。大病院より、かかりつけ医がいるような小さなクリニックの負担が大きく、注射を打てば打つほど赤字になる。倒産するところが増える可能性もあります」(同)
さらに、今年1月から4月までの企業倒産の件数は3545件(※負債総額1000万円以上)。5カ月連続で前年同月比を上回り、このままのペースで増えるなら年間で1万件を超える可能性が高いのだ。ここまでの高水準は12年ぶりだという。
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