22歳人気女優が「信者ビジネス」にのめり込む女子高生に… メガネ姿の美少女が狂気に走る“鳥肌”ドラマ
一瞬ビジュアル系バンドが頭をよぎるものの、主人公の名前に、狂気や錯乱の意味を匂わせる作品だと気付く。札幌の頭部切断殺人事件もちょっとよぎった。宗教というか、信者ビジネスを描く問題作「るなしい」の話だ。
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主人公の郷田(ごうだ)るなは一見純朴な女子高生。演じるのは連ドラ初主演の原菜乃華。
るなは鍼灸(しんきゅう)院を営む祖母(根岸季衣)と暮らす。初潮から閉経まで火神(かじん)に身を捧げる宿命で、恋をしてはならないと定められて育った。るなの血を染み込ませた紙ともぐさを使った鍼灸は、体の不調を治すだけでなく、自己実現もかなうという触れ込み。熱心な信者(正名僕蔵)もいて、大金を払って通っている。家業が「信者ビジネス」なのだ。
その異様な生育環境から学校ではいじめられていた。プールの授業の後は必ずパンツを盗まれて黒板に貼られる。映画「キャリー」風の復讐惨劇か?と思わせる不気味さに引きつけられた。
が、るなはまったく気に留めない。「自分は火神に選ばれし者」という純粋な自己肯定感があるからだ。幼なじみの石川スバル(本島純政)はるなを好きなのだが、いじめをやめさせる勇気はない。その代わりに文芸部の部室を提供。友人たちは、るなの鍼灸で癒やされている。陰キャ男子たちはやや異端の存在のるなを温かく受け入れていた。そんな平穏で牧歌的な青春は、一人の転入生の登場で幕を閉じる。金髪イケメン・成瀬健章は、女子の人気をかっさらう人たらしだ。演じるのはこの上なく適役の窪塚愛流。るなも健章の無邪気さに救われて、恋をしてしまう。が、健章にそんな気はさらさらなく、既にイケ女子の彼女(滝澤エリカ)もいる。るなは火神信仰に背いたことで熱を出し、激しく後悔するとともに、健章に復讐するため、信者として取り込もうともくろむ。菜乃華の好演で、純真と邪悪は紙一重だと分かる。こっちも適役だ。
るなは健章に火神の儀式を施し、校内ビジネスでの売り上げ対決を仕掛ける。裕福な家庭ではない健章が稼ぎたいと考えていることを知ったからだ。健章は女子の悩み相談を始め、着々と客を増やす。最初の客・森尾典子(駒井 蓮)は、のめり込んで金欠&不安定な状態へ。
一方、るなは恋愛に悩む大内塔子(影山優佳)を皮切りに、得意の儀式と人心掌握術で次々と信者を増やす。金欠の森尾には売春行為をたきつけるなど、健章の客もまんまと取り込んでいく。そうか、カルト宗教やマルチ商法は、承認欲求の強い男子や自己肯定感の低い女子をこうやって取り込んでいくのか、と鳥肌が立つ。
これは高校時代の話で、時折挟まれるのが現在。警察で事情聴取されている場面。森尾や大内が、るなについて吐き捨てるように証言している。そして、るなは捕まっている。どうやら信者ビジネスの破綻と崩壊が待ち受けているようだ。
禍々しいのに清々しい。るなが罪悪感なく犯罪行為を強要できるのは、信仰という大義があるから。るなもある意味で被害者という点をどう描くか、信者ビジネスの収入は非課税か、など気になりっぱなしだ。








